中心性頸髄損傷のため長期欠場の本間朋晃との約束を週刊プロレス編集長兼こけし番がひっそりと綴る

負傷直後に送るべきメッセージで悩む

 異様なまでのガサガサ声と異様なまでの肌の黒さで、いつの間にかプロレス界だけでなく、世間一般で有名人となっていたプロレスラー・本間朋晃の姿を最近テレビで見かけなくなった。その理由はプロレスファンなら百も承知だとは思うが、それ以外のひとたちは気にもとめていないのかもしれない。現在、本間は頚椎を負傷して長期欠場中。そのためメディアでの活動はおろか、本職であるプロレスのリングにも当然立てていない。本人は一日も早いカムバックを目指して、日々、リハビリに励んでいる。

リハビリ中の本間をお見舞いに行った時の様子(週刊プロレス5月31日号掲載№1904)


 最近では自身でLINEも打てるようになりやりとりも可能だが、負傷してしばらくはそれもままならなかった。本間とは取材・雑談問わずよくバカ話をする関係だった私は、本間が負傷した直後から気になって、そして心配で仕方なかった。本人にLINEしても返信がくるはずもないので少し時が過ぎるのを待とうとも思ったが、どうしても気になっていつか回復した時に見てもらえればいいと思い翌日LINEを送ってもいる。
 あれは本間が負傷した翌日の3月4日。本間の容態が心配ではあるが、こちらにも予定されていた仕事がある。その日は取材のため大阪へ出張。新幹線の中で携帯をいじりながら本間に「LINEしよう」「いや、やめておこう」と、何度も文章を書いては消すという優柔不断な行為を繰り返した。新幹線の移動中は基本睡眠にあてる派だが、このときばかりは眠気はみじんも感じなかった。
 そして最終的にLINEすることを決意。すると今度はどんな文面にするかで悩み始める。送ったところですぐには読まれないだろうが、これを読めるころには本間の容態も多少は落ち着いたころだと推測される。では、その時どんな文章が適切なのか。いつもの感じの軽いノリで「いやぁ、本間さん、死ななくてよかったですよ!」はさすがに不謹慎。かといってシリアスすぎる文章も避けたい。そもそもそんな間柄でもない。
 いろいろ考えているうちに思考が何周もして「やっぱりLINEしなくていいんじゃないか」という結論に戻りそうにもなったが、さらに思考をめぐらせた末、簡潔にいまの思いを伝える文章が完成。「復帰戦は表紙にしたいから待ってますよ」といった主旨のLINEを書き終えて送信するころには、新幹線は新大阪まであと少しのところまで来ていた。

表紙にすべきかどうかでも悩む

 翌日、大阪の取材を終え、東京へ戻る。次号の表紙は当初は違うものを考えていたが、本間救急搬送のニュースの反響の大きさは予想以上でもあり、「本間を表紙にした方がいいのでは!?」との考えが頭に浮かびあがる。一度、その考えが浮かぶと頭の中から消えない。そして行き同様、帰りの新幹線でも本間のことで悩む。この出張に限って新幹線は移動手段というより、本間のことを悩むためのいい空間となった。そして悩んだ結果、やはり本間を表紙にすることに決めた。
 出来上がった表紙を見て思った。もう表紙にしちゃったから、復帰戦まで待たなくていいのではないか…と。後日、その旨を本人にLINEしたところ、「復帰したら表紙お願いします」のあとに笑顔の絵文字つき返信がきた。まるでこっちの文章に対する答えになっていないところも、本間らしくていい…と思うことにした。その時になったら考えます…との返信はしなかったが、自分の中で答えは決まっているような気がしないでもない。(湯沢)

結局表紙にした週刊プロレス3月22日号№1894

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