キャラ立ちしたマスコットはプロ野球界だけじゃない!

プロスポーツの世界で欠かせない「名脇役」がマスコット。

日本のプロスポーツとして長い歴史を誇るプロ野球界には、ジャビット(ジャイアンツ)やトラッキー(タイガース)、つば九郎(スワローズ)など、プロ野球にそれほど詳しくない人にも名が知られているマスコットが存在するように、その愛らしいビジュアルと特異なキャラクターで、チームの人気に一役買っている。

25年の歴史を数えるJリーグの世界にも、愛すべきマスコットはいる。いや、むしろそのキャラ立ちはプロ野球にそん色ない……いや、ある意味で凌駕しているつわものも数多く存在するのだ。

そんなJリーグのマスコットをもっと深く知ってほしいーー。そんな思いからサッカーマガジンが企画し、過去に紹介したJマスコットたちをあらためて紹介していこう。

画像: Jリーグのマスコットが勢ぞろい。多くのマスコットがキャラ立ちしている

Jリーグのマスコットが勢ぞろい。多くのマスコットがキャラ立ちしている

その1回目は、Jリーグのマスコット総選挙(一般投票)で、昨年に続き今年も見事にナンバー1の座を射止めた、サンフレッチェ広島のマスコット“サンチェ&フレッチェ”。

画像: サンフレッチェ広島のマスコットであるサンチェ(左)とフレッチェ(右)。愛らしい見た目で大人気

サンフレッチェ広島のマスコットであるサンチェ(左)とフレッチェ(右)。愛らしい見た目で大人気

この2頭のつがい熊の何が特異かと言えば……。

これほどまでに「見た目」が進化したマスコットは、Jリーグ史どころか日本スポーツ史に例を見ないのではないか。

その進化は、現在に至るまで4つの形態に分類できる。

2006年ごろのサンチェとフレッチェ。第3形態と思われる

画像: フレッチェが誕生した2000年直後の写真。第2形態か

フレッチェが誕生した2000年直後の写真。第2形態か

画像: Jリーグ開幕当時の1993年。第1形態のサンチェは今の愛くるしい風貌とは似ても似つかない

Jリーグ開幕当時の1993年。第1形態のサンチェは今の愛くるしい風貌とは似ても似つかない

まず1992年。サンチェ誕生時を第一形態とするならば、その見た目の恐ろしさたるや、近頃人里に頻繁に出没するというニュースが絶えない“本物の熊”以上。

いまとなっては、子供から愛されるキュートな見た目を手に入れたが、誕生から20年間でなんと3度もの突然変異を経ているのである。

サンチェの激変の陰に隠れがちだが、お友達のフレッチェ(誕生当時はサンチェの彼女という設定だったが、いつの間にかお友達に降格)の風貌にだって触れないわけにはいかない。

2000年に誕生した当時、その見た目はどう見ても“モン●ッチ”である。

いかがだろうか。

サンチェとフレッチェの特異性が、そしてJリーグマスコットのポテンシャルの高さの一端がお分かりいただけただろう。

 

 

だが。

一つ不可解なのは、サンチェ&フレッチェの激変の事実があまり世に知られていないことだ。

昨今のSNSの浸透により、サポーターの間でひそかに「整形疑惑」が取りざたされてはいるが、それもまだ一部。

これほどまでの進化がまるでなかったかのごとく、今の愛くるしい風貌がまるで昔からそうだったかのごとく、サンチェとフレッチェは今日もスタジアムで愛嬌をふるまっている。

まるで誰かが意図的に過去を消しているような……。

マスコット総選挙で連覇を成し遂げ、とあるサイトでは「マスコット大賞」も手に入れた、Jリーグを代表する2頭のマスコットはいま、眩いばかりのスポットライトに照らされている。

だが、過去をなきものとして、可愛らしいツイートを連発し天真爛漫にふるまう姿を見るにつけ、某人気ミステリー作家の長編作品のような、触れてはいけない闇の存在がある気がしてならない。

(構成◎老野生智明)

※サッカーマガジン2017年1月号「マスコット進化論」より

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