トレーニング歴30年超の大ベテラン。若い頃からとにかく重量を上げることに執着し、常人離れした高強度トレーニングで体をいじめ抜いた。合戸孝二選手が“狂気の男”と呼ばれる所以は、そこにある。トレーニングの強度について、どのように考えているのか、独自の理論をもつ合戸選手に水を向けてみた。(『トレーニングマガジンVol.39』より)
画像: 現在56歳(2017年6月現在)。合戸選手は衰えることを知らないといっても過言ではない(写真は2015日本選手権)©BBM

現在56歳(2017年6月現在)。合戸選手は衰えることを知らないといっても過言ではない(写真は2015日本選手権)©BBM

トレーニングは高強度に尽きる

――普段実施されているトレーニングの強度について、どのように考えていますか?
合戸 俺は昔から「高強度」に尽きると思っているよ。

――現在のトレーニングは、ご自身の考える本来の「高強度」からすると、こんなものではないという思いはありますか?
合戸 やってきたことはね。一番やっていた30代から40代前半、42~43歳の頃のトレーニングからしたら、今は半分くらい。もし当時のトレーニングを見たら、きっと「この人は頭がおかしい」って思うんじゃないかな(笑)。当時は午前中と午後のダブルスプリットで、1日8時間やっていたから。

――現在のトレーニングはどのような形ですか?
合戸 4日間やったら1日オフの5日サイクルで回している。順番としては脚→胸・上腕二頭筋→背中→肩→オフだね。コンディションによっては急きょオフを挟むこともあって、その翌日にまた脚を入れることもあるから、時々サイクルが狂っちゃうこともあるけど、理想はその順。

――背中のトレーニングを拝見しましたが、デッドリフトはMAXでどのくらいだったのでしょう?
合戸 260kgかな。増やせるうちはどんどんプレートをつけていく。オフの時期はできそうなら増やしていくようにしているよ。

――あくまで重量を追い求める?
合戸 いや、重たいものが挙がればいいってわけじゃないケースもある。例えば、昔はデッドリフトだと320kgくらい引っ張っていたんだけど、それだと背中にのらない。要は、腕で引っ張っていたんだ。それじゃあ意味がない。背中にきちんとのる重さで最高はどのくらいだろう、って考えた結果が、今やってるくらいの重さなんだよね。だから「目的の筋肉にしっかりのせられる重さで」っていうのが大前提にはなる。

あり得ないくらいデカい体にしたいなら、限界に挑むしかない

――昔から高重量、高強度を追い求めていらっしゃるのですか?
合戸 そうだね。基本的には重たいものを持たない限り、大きくならないと思ってやっているから。なかには「軽い重量で効かせる」っていう人もいるけど、体を見たらわかるよ。俺は気持ち悪い体になりたかったから(笑)。あり得ないくらいデカい体にしたいなら、限界に挑むしかない。きっと日本選手権でファイナルに残るようなビルダーなら、それはわかっていると思う。

――いわゆる「効かせるトレーニング」と「筋肥大のためのトレーニング」とは、違うものなのですか?
合戸 全く違うよ! そもそも効かせるだけじゃ筋肥大はしない。パンプはするけどそれは一時的なもので、冷めれば結局元の大きさに戻る。筋肉が大きくなっているわけじゃないんだ。筋肉っていうのはトレーニングによって筋線維を傷つけ、修復を繰り返すことで大きくなる。さらには、その傷が修復しきっていないうちに刺激を入れることで大きく、太くなっていく。5日サイクルにしているのにはそういう理由もあるよ。

――と、いうと?
合戸 仮に1週間で回すサイクルにすると、1週間経った頃には完全に筋線維の修復は完了している。いってみれば、きれいな筋肉にまた傷をつけなきゃいけないことになるわけ。それって、要するにゼロからのスタートなんだよね。それが5日後だと、多少の筋肉痛は残っているけど、アップをやればとれるくらいの回復具合。そういう状態が実はベストなんだよね。

――休息をしっかりとればいい、というわけでもないのですね。
合戸 その通り。しっかり休めることができている分、調子もいいんじゃないかって思うんだけど、パンプ感、張っている感がない。トレーニングしても、ただ疲れるだけなんだよね。重量も上がってこないばかりか、むしろ落ちちゃう。

――合戸さんのトレーニングは、セット当たりの回数が多いとも感じたのですが…。
合戸 背中は1セット10回って決めている。でも、部位によって回数は違う。胸だったら一発っていうセットもあるし。ただ、その分、胸は背中に比べてセット数がもっと多いよ。ベンチプレスであれば、最後に自力で7~8回できるところまで重量を落としていくからね。

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