画像: トンプソンは「短い間」。日本代表、アイルランド代表との再戦へ必死。

トンプソンは「短い間」。日本代表、アイルランド代表との再戦へ必死。

ファンの落胆を誘った80分から2日が経ち、ラグビー日本代表が再始動。すでに代表引退していたトンプソン ルークがグラウンドへ戻ってきていた。ニュージーランドからやって来た36歳の日本人LOは、関西風のイントネーションを交えて言った。
「日本代表...嬉しい! (今回は)難しい判断だったけど、簡単な判断でもあった」
6月19日、炎天下の東京・辰巳の森ラグビー練習場に集まった面々は、次戦出場が予想されるメンバー同士で攻撃陣形などを確認。17日にはアイルランド代表に22-50で大敗していたが、時折笑顔も見られた。FBの野口竜司は、これまでのキックを使った戦法が継続されると示唆した。
「キックチェイスをする際に孤立する場面が多い、と、やるべきことが明確になったのでそこをやりましょうという話になりました。走れていない選手がいるとか、1人だけ出てしまっていてそれはターンオーバーにはつながらない...。そういう部分については、ミーティングをした」
2年後のワールドカップ日本大会で同じプールに入るアイルランド代表は今回、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズに11名のメンバーを供出して若手主体の編成だった。海外組を含め現時点でのベスト布陣で臨んで敗れた日本代表にあって、ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(HC)は「アイルランド代表のような強い相手に立ち向かうハングリーさが足りなかった」。試合後の会見に続き、精神的な問題のみを敗因に挙げた。
練習時の主力組候補は、大幅に入れ替わっているようだった。なかでも目に付くのは、LOに入ったトンプソンだった。6月のツアーが始まってから、LOの位置では梶川喬介、真壁伸弥、さらには追加招集された39歳の大野均までもが故障離脱。事前のスコッド編成時はアニセ サムエラが怪我で選外となっていただけに、ジョセフHCはこう説明する。
「LOは5枚、怪我しています。テストマッチにはトンプソンのような経験者の力が必要なので、参加してくれて嬉しく思います。いまある人材でどう今後を見据えるかも考えるが、彼の経験を考えると他に選択肢がなかった。今回の招集において一番理解して欲しいのは、選択肢がなかった、ということです」
試合のあった17日の夜にSOSを受けたトンプソンは、2007年の初代表から63キャップを取得。ワールドカップへは3大会連続で出場した。特に前回のイングランド大会では、献身的なタックルで南アフリカ代表戦勝利などを実現している。
いまは家庭を大切にすべく代表引退をしていたが、ジョセフHCからの懇願を受け再びジャージィをまとうことにした。
この時期は、長くジャパンで同僚だった大野ともショートメッセージでやり取りをかわしていたという。「僕がした。キンちゃん、どうしたー? って」。24日に東京・味の素スタジアムであるアイルランド代表との再戦へ、こう決意を込めた。
「ジェイミーから連絡が来たときは奥さんが隣にいて、『どうする?』と。いま子どもが3人いるから...。でも、短い間、チームのためなら...と。日本代表は特別だから。アイルランド代表はめっちゃ強いチーム。ライオンズのメンバーはいないけど、ここ数年のチームの文化は素晴らしい」
ジョセフHCは、後半に19得点した前回の試合を振り返り「後半に出た選手たちがお手本となるプレーを見せてくれた」。次戦では、その「後半」からプレーしたメンバーも重用する姿勢だ。文字通り「死に物狂い」の姿で、チームの命をつなぎにゆく。
(文:向 風見也)

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