画像: MVPインタビューで見えた“苦労人”立大・大東孝輔の人柄

MVPインタビューで見えた“苦労人”立大・大東孝輔の人柄

MVPの立大・大東(4年生)のヒーローインタビューの横で、苦笑いを浮かべる1年生・中川の表情も良い
『大学野球2017春季リーグ戦決算号』(週刊ベースボール6月27日号増刊)は6月21日に発売。この春は、立大の見事な復活劇に神宮は沸いた。
21世紀初、35季ぶりに東京六大学リーグ戦を制すると、第66回全日本大学野球選手権大会では1958年以来、59年ぶりの大学日本一。巻頭カラーでは立大を総力特集していく。
最高殊勲選手賞(MVP)に輝いたのは立大・大東孝輔(4年・長良)だった。まさかの〝伏兵〟の受賞に、実は本人こそが、驚きを隠せない様子に見えたが、無理もないだろう。
岐阜県立長良高校では甲子園出場なし。自身の代となった2年秋、3年春、3年夏と3季連続で8強入りを果たしているものの、やはり、全国舞台は遠かった。立大OB・長嶋茂雄氏(巨人終身名誉監督)の書物を読んだのがきかっけで、立大を志望し、指定校推薦で入学している。
200人近い部員がいる中で、25人のメンバー入りは狭き門である。立大は一~四軍まで振り分けられており、完全な実力主義。大東はリーグ戦デビューを果たす2年秋まで、下積み生活を送った苦労人だ。
4年春までの7シーズンで規定打席に到達したことは一度もなく、リーグ戦通算7安打。3年春には初本塁打(代打)を放っているが、レギュラー定着には至らなかった。今春は自己最多9試合に出場し、代打要員としての地位を完全に確立。早大2回戦では、サヨナラ打を放っている。
DH制が採用される大学選手権では、持ち味の打力が買われ、先発出場。富士大との2回戦で同点2ランを放つと、国際武道大との決勝では相手を引き離す3ラン。計6打点の活躍で、59年ぶりVへ導いたのだった。
大学日本一達成直後の場内インタビューでは興奮のあまり、アナウンサーとの質疑応答が、なかなかかみ合わず。左横で1年生・中川颯(桐光学園)が苦笑いを浮かべていた。
1万2000人の観衆前で話をするのは、恐らく、初めての経験。むしろ、こなれているよりも、新鮮に映ったのは、多くの人が感じたことだと思う。
閉会式後の記者会見でも、大東の「人柄」に触れることができた。
「長嶋さんにあこがれて立教に来た。長嶋さんの前で打てたのは奇跡!(笑)」
大東こそ「立教らしい」選手だ。2008年に導入されたアスリート選抜入試により、甲子園球児への門戸も広がった。しかし、立大・溝口智成監督は「実績があれば活躍できるほど甘くはない。練習をしなければ下手になる」と繰り返し、横一線でチャンスを与えてきた。人一倍、バットを振り込んで努力を結実させた大東こそ、成功例の一つなのである。
甲子園に出場できなくても、神宮で活躍できる――。全国の高校生に勇気と希望を与えた功績は大きい。
文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎

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