画像: パスでしょ。元アイルランド代表ヒューゴ・マクニール、第2テストを語る。

パスでしょ。元アイルランド代表ヒューゴ・マクニール、第2テストを語る。

アウトサイドでたびたびゲインしたWTB福岡堅樹。(撮影/松本かおり)
初戦で22-50と完敗を喫し、ホームでのサポーターを前にプライドを懸けて2戦目に挑んだ日本代表。内容面での改善を見せたものの、2戦目も13-35と敗れ、ティア1強豪国アイルランドの前に2連敗となった。
第1テストマッチに引き続き、1980年代にアイルランド代表として活躍し、現在はラグビー解説の仕事も務めるヒューゴ・マクニール氏に試合の感想を聞いた。
「日本は、1戦目よりもいい出来でしたね。ラインスピードも良かったですし、アイルランドは1戦目よりも大きくプレッシャーを受けていました。試合後にアイルランドの選手たちと話す機会があったのですが、『初戦より厳しい試合だった』という感想を聞いています。初戦同様、点差ほどの実力差はないと私は思っています」
初戦のあとに、ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチからは精神面での問題に関するコメントが出たが、この点については同ヘッドコーチ自ら第2テスト後の会見で、改善が見られたと述べている。
「ファイティング・スピリッツという面でも、1試合目よりも良かったように見えます。タックルも激しかったですね」
勝っていればどんな戦術で戦っていようとも誰も疑問を呈することはなく、負ければ誰もがその戦術を疑いたくなる。それが一般ファンの心理。キックを多く使ってアンストラクチャーな状況を作り出すジョセフ ヘッドコーチの戦い方は、前任のエディー・ジョーンズ ヘッドコーチが標榜した「ジャパン・ウェイ」とは異なる戦い方だ。
現状では結果が出ていないこともあり、一部からはこのキックを多く使った戦い方に疑問を呈する声も聞こえる。
「日本はボールをキープしている時が、相手にとって一番危険。(2015年ワールドカップの)南アフリカ戦でも見せたように、ボールを徹底的にキープし続けると、相手も嫌でしょう。確かにキック主体のゲームには長所もありますが、個人的には、日本代表は蹴らない方が相手にとって嫌なチームになるのではないかと思っています。
(イングランド、スコットランド、ウエールズのある)英国やアイルランドでは、スペースではなくディフェンダーに向かって走り、当たり勝つ事で試合を支配しようとするプレーが多く見られます。それに対し、例えばオールブラックスのようなチームは、よりスペースを作り、そこに走り込むことで試合を支配しようとする場面が多く見られる。日本はスペースを作り、ボールを大きく動かして、走り回る。そんなスタイルを得意とするチームだと思っていたのですが」
「日本代表=徹底した展開ラグビー」という単純なステレオタイプの観念は、英国やアイルランドの現地メディアにもしっかりと浸透している。中盤で外にスペースのある状況でキックを選択した今回の日本代表のプレーに、「日本はこういう場面で外に大きく回すチームだと思っていたのですが」、「今のは外へパスでしょう!」というコメントが、英国のテレビ放送の解説者からも聞かれた。
マクニール氏はこの日、アイルランド代表、アメリカ代表のヘッドコーチ経験があるエディー・オサリバン氏と共にアイルランド国内放送での第2テストについての解説をおこなった。その際、日本のキックを多用する戦術について、両氏とも上記のようなコメントを残したと言う。
日本にとっては残念な結果となったこの夏のテストシリーズだが、アイルランドにとっては実りのある遠征となったようだ(アイルランド代表は来日前、アメリカ代表と対戦して55-12で圧勝)。
「基本的に、できると確信を持っていた選手たちが、確信通りのパフォーマンスを見せてくれた遠征でした。ギャリー・リングローズ(CTB)は、今回の日本遠征には参加していないジョニー・セクストン(SO)、ロビー・ヘンショウ(CTB)との連携が無かったので、あまり派手な活躍とはなりませんでしたが、若手中心のチームで十分に実力を証明したと思います。ジャック・コナン(NO8)もいい働きをしていました。
個人的にはジェームズ・ライアン(LO/FL)のプレーを見ることが出来たのが嬉しかったですね。彼の父、マークとはダブリン・トリニティ・カレッジ時代のチームメイトで、1981年の日本遠征にも一緒に参加した仲です」
2015年ワールドカップでの南アフリカ戦以来、ブレイブ・ブロッサムズは一躍世界のラグビーファンの間で人気チームとなった。ふたたびティア1国撃破を。そんな活躍を期待するファンはいまも多くいるが、ティア1国との対戦機会に恵まれるようになった日本は、強豪国の壁の厚さをあらためて思い知らされているのが現状だ。
国内サポーターのみならず、世界各地のラグビーファンからも注目を浴びる日本代表。今後の躍進に、世界の注目が集まる。
(取材/竹鼻智)

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