(スポーツカード・マガジン2017年3月号より。一部、加筆・補足)

2008年にスタートして以来、今号で9年目。
毎年の「スポーツカード大賞」を決定してきたディーラーズ座談会もこれがラストとなりました。
前年のカードシーンを総括しながら、けれん味のないトークでカード業界をぶった切り、
人気を博してきましたが、2016年も良作ぞろいで大いに盛り上がりました。
果たして、各部門で栄冠を手にしたのはどのカードなのか?
最後には、今号限りで休刊するSCMへの贈る言葉も聞かれるなど、3氏とも感慨深げな様子。

参加ディーラー
廣重嘉之(JSCA会長)✕佐伯篤(SAトレーディング)✕田村亮一(ミント神田店)

☆アイテム部門(パック商品)☆
オールジャンルのスポーツカードは昔からの夢。
達成したのはすごい
(廣重)

廣重
 2016年もたくさんのカードが出ましたが、どれもクオリティーが非常に高かったと思います。大外れもあまりなく、デザイン面でもレギュラーカード、インサートカードともに秀逸なものが多かったですよね。エポックもずいぶん頑張っていました。ロットも少なく、チームを限定したり、BBMより狭いターゲットをねらっているので質のいいものができるのは当然なんですけど、一つの到達点に来たのではないかと。スポーツカードが熟成したという印象があります。

佐伯
 確かに良作が多く、だいたい売り切れました。エポックも軌道に乗ってきましたし、これまでのBBMの一点突破から2本柱になって、面白くなったと思います。Numberも継続して出しているんですけど、いまひとつ垢抜けなかったのが残念でした。

廣重
 田村さんはいかがですか?

田村
 まずお客さんの「1stバージョン」への反応が例年に比べてものすごくよくて、出来もよかったと思います。その前に出た「ルーキーエディション」にサイン色紙の交換券が入ったのも斬新でした。キャンプ前から開幕にかけてルーキーの注目度が高かったですよね。テレビの地上波でも取り上げられることが多かったですし、カード業界としても新しいお客さんを開拓できた。商品の内容もムダなものがなくなってきて、BBMとエポックの切磋琢磨でいい方向に来たと思います。

廣重
 サッカーカードに少し元気がありませんでしたけど、その他のスポーツもたくさんカードが出ましたよね。新しいところでいえばカーリングや、久しぶりにドランゴンゲートで男子プロレスのカードも出ました。

佐伯
 男子プロレスのカードは最近ほとんど出ていなかったので、確かに新鮮でしたね。

廣重
 その真骨頂が、「マスターピース」だと思うんです。ベストアイテムのパック部門は、この作品で異論はないと思います。

佐伯
 これしかないでしょうね。

廣重
 オールジャンルスポーツのカードは昔からの夢でしたから、これを達成したのはすごいこと。各界のスーパースターが網羅されていましたし、文句なしだと思います。他では「ジェネシス」が安定したセールスで、年末になってもまだボックスがあれば開けたいというお客さんも多かった。「タッチ・ザ・ゲーム」が「ジェネシス」になってから人気が続いていますよね。あと、「2ndバージョン」に始球式サインが入ったのも画期的で、この3つを私は評価したいです。

田村
 私も同じく1位は「マスターピース」ですね。プロ野球の現役、OBに加えて、今まであればよかったとずっと思ってきた高橋尚子さん、北島康介さんといった五輪メダリストのサインですよね。喜んでいるのは、ほとんどがおじさんなんですけど(笑)。最近は“大谷くじ”としてカードを楽しむファンが増えてきているので、20代前半の若いコレクターたちは、例えば、岡本綾子さんを知らないんですよ。何よりびっくりしたのは、瀬古利彦さんを知らなかったこと。

佐伯
 リオ五輪の年でいろいろなスポーツに注目が集まっていたのもよかったですよね。

田村
 読売クラブのカズのサインカードが実現できたことがすごいです。ヤンマーの釜本邦茂さんも熱かった。

廣重
 こういう写真は、やはり歴史のあるBBMじゃないとそろわないですよね。

田村
 この規模はちょっと他社ではできないでしょう。サインのラインアップもよかったし、全体的なデザインもよかったんですけど、さらにインサートが秀逸でしたよね。3DとSPARKLINGとSTAY GOLDの3本があって、それぞれの出来も非常によかったです。

廣重
 「ジェネシス」と「2nd」はどうでした?

田村
 どちらも前年よりよかったと思います。 「2nd」に関しては、始球式サインで稲村亜美さんの人気に驚きました。あれでボックスを開けてみようという需要が出てきたほどで。最初のインパクトは小林幸子さんでしたけど、需要があるところまで情報が行き届かなかった気がします。

廣重
 佐伯さんは、他に候補はありますか。

佐伯
 エポックから出た「日本ハムシーズンアチーブメント」ですかね。比較的当たりやすい“大谷くじ”でした。

田村
 直書きサインだったんですよね。私の次点候補は「1stバージョン」とエポックの「広島STARS&LEGENDS」、「パ・リーグ高級版」ですかね。広島は画像が絵画調に加工されていて、個人的に好きなテイストでした。でも、「マスターピース」が断トツです。ここ数年の中でも抜きん出ています。

画像: 「“マスターピース”が断トツです」と田村店長

「“マスターピース”が断トツです」と田村店長

その他の主なノミネート
☆BBM2016 GENESIS
☆2016BBM 1stバージョン
☆2016BBM 2ndバージョン
☆EPOCH 日本ハムシーズンアチーブメント
☆EPOCH 広島STARS&LEGENDS
☆EPOCH パ・リーグ高級版

☆アイテム部門(セット商品)☆
宅配のお兄さんが
「1ボックスほしい」って(笑)
(佐伯)

廣重
 次はセット部門に行きましょう。私は黒田博樹&新井貴浩セット「200WINS&2000HITS」、大谷翔平&藤浪晋太郎セット「Go Higher」、高橋由伸セット「24karat」の3つです。黒田&新井セットは広島の優勝で盛り上がったタイミングで人気選手の記録をカード化できたのがよかったと思います。大谷&藤浪セットは2人とも人気の高い選手で、コンボサインやコンボパッチが実現できた。由伸セットは98年のジャージーを復刻したのが大きかったという印象です。

佐伯
 黒田&新井セットももちろんよかったですが、私は大谷&藤浪セットのほうが上だと思います。RIVALSという懐かしいダイカットの復刻インサートがあって、今でも人気があるんですよ。全種をそろえたいというカードファンは多いです。うちにいつも荷物を持ってきてくれる宅配のお兄さんが「1ボックスほしい」って言ってきましたよ(笑)。そこまで知られていましたから、驚きました。

田村
 セット部門は、私も大谷&藤浪セットです。2人の顔が半分に分かれて大きく使われていたボックスのインパクトも強かった。年末に出た「Rising Sun」に匹敵するくらいの早さで売り切れました。次点には、たくさん出た広島商品の中から「大願成就」を選びました。サインやメモラがない商品を優勝が決まった後に作ったことがすごいと思います。お店に来た日本ハムファンが言っていました。「日本ハムはないんですか?」って。

画像: 「RIVALSという懐かしいダイカットの復刻インサートがあって、今でも人気があるんですよ」(佐伯氏)

「RIVALSという懐かしいダイカットの復刻インサートがあって、今でも人気があるんですよ」(佐伯氏)

その他の主なノミネート
☆BBM黒田博樹&新井貴浩 200WINS&2000HITS
☆BBM高橋由伸 24Karat
☆BBM広島 大願成就

(つづく)

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