6月23日に66歳で亡くなったミスター・ポーゴさんの追悼試合が、7月15日、超戦闘プロレスFMW新木場大会にておこなわれた。ポーゴさんゆかりのノーロープ有刺鉄線バンクハウスデスマッチでおこなわれた試合には、90年代のFMWでポーゴさんと抗争を繰り広げた大仁田厚や、“ポーゴ軍団”で行動を共にし訃報を機にミスター・ポーゴ2世を襲名した保坂秀樹らが出場。

 そこには、FMW時代にポーゴさんとタッグを組んでいた時期もあったリッキー・フジも名を連ねていた。試合前のバックステージで、物思いにふけるようにタバコをふかしていたリッキーに、ポーゴさんについて話を聞いた。

画像: 現役時代のミスター・ポーゴさん

現役時代のミスター・ポーゴさん

「リング上に平然と鎌を持ってきたりノコギリ持ってきたり(笑)。そんなことが許されたのがポーゴさん」

――FMWではポーゴさんとタッグを組んでいた時期もあったそうですね?
リッキー ちょうど1990年の5月にボクが日本に帰ってきて、栗栖軍団として栗栖(正伸)さんとやっていたんですけど、栗栖さんがそのひとシリーズで新日本に行っちゃって、そのあと入れ違いで来たのがポーゴさんでね。で、ポーゴさんに声かけてもらって、ポーゴさんと一緒に行動するようになってという感じですね。

――タッグを組んでいた期間はそれほど長くはなかった?
リッキー そうかもしれないですけど、期間ではなく、密度っていうのがやっぱりすごい濃かった時代ですからね。だからホントに、何十年前になりますけど、あのときのこと、あの会場で、と結構、覚えてることありますからね。

――ポーゴさんはどういう存在でしたか?
リッキー 一言では表せないですけど、もうなんて言うんでしょう、ホントに世間で言われる「極悪大王」って感じですかね。それこそ火を吹くなんていうのもポーゴさんが初めてじゃないですかね。で、リング上に平然と鎌を持ってきたりとか(笑)。ノコギリ持ってきたりとかね(笑)。そんなことが許されたのがポーゴさんだし。ただね、それを全部受け入れてた大仁田さんっていうのが、それ以上にすごいっていうのはありますけど。それこそ大仁田さんの中で、みんな生かされてる部分っていうのはあるんじゃないですかね。ボク自身もそうですしね。

「ヤバい状況」でポーゴさんが発した忘れられない一言

――保坂秀樹選手がミスター・ポーゴ2世を襲名すると宣言しましたが、どう見ていますか?
リッキー 2世っていう言い方はまたちょっとアレですけどね。もう「ミスター・ポーゴ」でいいと思いますけど。あえて2世と言わずに。それこそ、ヤツもポーゴさんと組んでる時期が長かっただろうし。

――ポーゴ魂、ポーゴイズムというものがあるとしたら、どういうものだと思いますか?
リッキー 視野を世界に向けていた人ですからね、常に。世界に。もともと海外で長くやられていた人なんで。ボクもデビューはカナダだったんで。そういったところですごい共通する部分があって。だから控室でボクとポーゴさんは、ずっと2人で英語で会話してたっていう時期もありましたからね(笑)。それこそあいさつとかでも、ボクが先に控室にいるところへポーゴさんが入ってくると「ヘイ、リッキー・フジ!」って。それはクセというか、英語で話しかけられると英語で返すみたいな。だから、しばらくの間、ボクとポーゴさん、生粋の日本人2人がずっと英語で会話してるっていう時期がありましたからね(笑)。

――レスラーたるもの世界に視野を向けろという思いもポーゴさんにはあった?
リッキー そうですね。あと、タッグを組んでいるときに、ボクが試合の展開の中でヤバいなと思って、コーナーにいるときにポーゴさんに相談じゃないですけど「これちょっとやばいんじゃないですか?」っていうようなことを言ったことがあったんです。そのときも、たぶん会話は英語だったと思うんですけど「この状況はちょっとヤバいぞ、ミスター・ポーゴ」って。そしたら、ポーゴさんは一言「トラスト・ミー」って言ったんですよ。オレを信用しろと。それだけ言ってリングに入っていって、ガチャガチャっと戦況を変えてくれた。このオッサン、かっけー!って(笑)。よく覚えてます。そんなときがありましたね。

「天国のポーゴさんに、今度はボクが『トラスト・ミー』ですよ」

――今日の追悼試合はゆかりの有刺鉄線バンクハウスデスマッチでおこなわれます。
リッキー ほんとに有刺鉄線の使い方がうまかったですよね、ポーゴさんは。凶器と有刺鉄線と。有刺鉄線の試合にもかかわらず、どこから持ってきたのか、クライヤーっていう切る工具で試合中に突然、有刺鉄線を切り始めて、腕に巻きつけて相手をなぎ倒していったりとか。そういった、いつの間にこんなことしたんだ!?みたいな、常にそんなことをしていたんで。ホント使い方がうまかったですよね。

それこそ昔のFMWは毎日この形式でしたからね。よくあったのが、地方のメインイベントでストリートファイトマッチが組まれてるんですけど、試合前にリングアナウンサーの人が「次におこなわれるストリートファイトマッチですが、ミスター・ポーゴ選手がノーロープ有刺鉄線を要望し、それを大仁田選手が飲んだため、急きょノーロープ有刺鉄線デスマッチに変更します!」みたいな。だから常にポーゴさんは有刺鉄線を要求してたわけですよ(笑)。

――今日の追悼試合をポーゴさんが見ているとしたら…。
リッキー それこそ天国のポーゴさんに、今度はボクが「トラスト・ミー」ですよね。見ててくれって感じですね。あなたの得意としていた闘いをちゃんとオレが継承しますよって。たぶん、ポーゴさんとしては大丈夫かあ?みたいな感じで上から見てると思うんで(笑)。ボクとしては、上を向いて言いますよ。トラスト・ミーって。ウォッチ・ミーって。見ててくれって。

リッキー・フジ

迎えた追悼試合ではポーゴ2世の絞首刑により失神KO負けを喫したリッキー。その闘いぶりは天国のポーゴさんの目にどう映ったか。超戦闘プロレスFMW7・15新木場大会の試合詳細、バックステージコメントは以下のサイトを参照してください。

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