画像: チームにエナジー与える男。NEC 権丈太郎は「もっとできる」。

チームにエナジー与える男。NEC 権丈太郎は「もっとできる」。

このままじゃいけない。僕はもっとできる。
2015年ワールドカップで活躍する元チームメイトたちの姿を見て、NECグリーンロケッツの権丈太郎は奮い立った。
「同期のケンスケ(畠山健介)やゴロー(五郎丸歩)もそうですけど、山田(章仁)、堀江 (翔太)......。僕らの世代がずっと活躍していて、『このままじゃいけない』『僕はもっとできる』と思わせてくれたのが、2015年のワールドカップだったので。ずっと同じステージでやってきたはずだったので」
福岡のつくしヤングラガーズで楕円球に出会った。
「小さい頃はナヨっとした子どもだったらしくて。両親としては『たくましく育ってほしい』という想いがあったようです」
そんな両親の願いは叶った。
中学卒業後に進んだ筑紫(福岡)ではキャプテンを任され、3年時には高校日本代表に選出。
のちに早稲田大学で同期となる仙台育英(宮城)の畠山健介、佐賀工業(佐賀)の五郎丸歩らと共に、オーストラリア遠征を戦って4戦全勝した。
翌2004年に選出されたU19日本代表では、島本(大阪)の堀江翔太、小倉(福岡)の山田章仁、京都産業大学の1年生だった田中史朗らとチームメイトに。
U19世界選手権の最終戦ではU19スコットランド代表に勝ち、一枚の記念写真に笑顔でおさまった。
みんな、共に世界と戦ってきた仲間だった。
早大では1年時の春から試合に出場。
「僕と畠山と五郎丸は、春から試合に出させて頂いていました」
大学4年時には、その畠山と五郎丸を副将に従えて主将に就任。2季ぶりに大学日本一を奪還し、“権丈ワセダ”は、雨の国立競技場で『荒ぶる』を熱唱した。
またU21、U23日本代表、さらにはセブンズ日本代表の招集経験もあるなど、順風満帆とも思えた楕円球人生。
その裏で、権丈は左足首の状態に悩まされていた。
「大学の頃から左足首は悪くて。社会人に入っても足首が良くなくて、これは根本的に治さなきゃいけないということで手術をしました」
大学卒業後に入社したNEC時代だけで「3、4回」の手術を経験。その甲斐あって捻挫はなくなったが、変化した身体のバランスなどに苦心してきた。
しかし近年の調子は上向きだ。
「最近は怪我もなく、状態は良いです」
才能は経歴が証明済み。元日本代表でチームOBの熊谷皇紀コーチも、身長185センチ、体重102キロ、フロントロー以外の全FWポジションをこなす31歳に太鼓判を押す。
「ワークレートが高く、チームにエナジーを与えてくれる存在です。選手として成熟してきています。あとは、本当に“いい男”です」
NECは今年に入ってFL村田毅(日野自動車)、SH茂野海人、SO田村優(キヤノン)らが退団。
巷では戦力ダウンもささやかれるが、キャプテン気質の九州男児は、この状況にむしろやりがいを感じている。
「僕らも、ここでやらなきゃ。『ああ、やっぱり彼らが抜けたから』と思われるのもなんですし。ネガティブになっている選手はいないです」
一方で気掛かりなこともある。
「NECは、みんなポテンシャルはあるのに、それを結果に出せないことがもどかしくて。もっと僕らはできるはずなのに」
8月18日に開幕するトップリーグの新シーズンで、今こそ日本選手権優勝3回の名門・NECのプライドを披露したい。僕らは、もっとできる――。
「個人的に、今年は『NECのプライド』ということをすごく意識してやっています。自分が選んで入ってきたチームです。このまま終わりたくないし、自分の決断に対して後悔がないように、という思いは強いです」
畠山や五郎丸ら仲間たちとは、飲み会の約束はしても「僕はラグビーの話はしないです」。大切な想いは心の奥にしまってある。もちろん日本代表ジャージーへの想いだって捨てたわけではない。
「今シーズンに懸けています」
悔いを残さないためにも、渾身の力を込めて新シーズンに臨む。
(文:多羅正崇)

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