画像: メットライフドームにファンが続々! 西武ライオンズ事業部の戦略とは?

メットライフドームにファンが続々! 西武ライオンズ事業部の戦略とは?

8月1日の楽天戦、メットライフドームに1万7865人の観客を集めた埼玉西武。これで今季の主催試合の観客動員数は100万1525人に。チーム名に“埼玉”を冠した2008年以降、最速で100万人を突破し、昨季の46試合目よりも2試合早い、44試合目での達成となった。なぜ、埼玉西武の観客動員数が右肩上がりになっているのか。その理由を株式会社西武ライオンズ事業部次長の市川徹氏に聞いた――。
コアな層だけでなくライト層へ訴えかける
8月1日の楽天戦で、チーム名に“埼玉”を冠した2008年以降、最速で観客動員数が100万人を突破した
――今季、新たな観客動員増加施策を講じたそうですが、特に力を入れたのは?
市川 2008年から球団の事業改革を始め、まずはコアなライオンズファンをもっとコアにすることを考えて進めてきました。例えば年間8回、球場を訪れるファンを10回にする。そこに注力した施策を打ってきた結果、観客動員数は順調に伸びてきました。そこから一歩進んで、今季はコアなファンだけでなく、ライトなファンに訴えかけることにも取り組みました。
――球場に来る回数が少ないファンを振り向かせる、と。
市川 そのために、例えばポスターデザインを刷新しました。現在、秋山翔吾選手の「進化系 ダゲキング。」というキャッチコピーをつけたポスターを掲出中ですが、選手の人柄が分かり、親近感がわきやすい形にしました。コアなファンも面白がってくれ、ポスターをフェイスブックやツイッターでシェアしていただきリーチ数がどんどん上がったので、ライトなファンにも届いたのではないかと思います。
「進化系 ダゲキング。」のキャッチコピーが目を引く秋山のポスター。今年からポスターのデザインも一新した
――SNSコンテンツの拡充もしているそうですね。
市川 ファンの方が目にすることができないところ、例えばホームゲームでの試合前練習やヒーローインタビューが終わってボールにサインを書いているところ、ビクトリーロードを上がってロッカーに入るところまで撮影して公開しています。
――外部サイトとの連携も充実してきました。
市川 メットライフドームでは12球団最大級の店舗数と1000種類以上のできたてフードを堪能していただけ、ビールも15種類以上あります。われわれにとっては普通のことだったのですが、一般的に考えたら驚くべきことではないか、と。そこでグルメサイトの「Retty」と連携して取り上げてもらいました。さらに、レジャーを紹介するサイトで野球観戦経験のない女子大生の方にメットライフドームで自由に遊んでもらって、リポートを書いてもらう。そういった形で、メットライフドームで野球観戦する魅力をアピールしていきました。
子ども連れでも安心して球場で観戦を
ライオンズキッズパークも新設。子ども連れでも安心して観戦できる
――野球をテーマにした屋内あそび場「ライオンズキッズパーク」も新設しましたね。
市川 球団の女性社員の友達が「昔、球場に野球を見に来ていたけど、子どもができると難しい」と言っていたそうなんです。その理由の一番は、子どもがぐずるから、と。そこで、その受け皿を作りました。ライオンズキッズパークで子どもを遊ばせることもできますし、暑くなったらそこで涼みながらテレビで試合を見ることができるので、親御さんも安心して野球観戦ができると思います。さらに、これは以前からですが、試合終了後にグラウンドを開放してファンの方に野球体験をしてもらう「AFTER THE GAME」や子どもから大人まで楽しめるアトラクションスポット「FAN ZONE」など、ニーズに合った企画を数多く実施しています。
――各自治体と球団がより強固な関係を構築し、相互が発展することを目指すフレンドリーシティも現在、20市町と拡大してきています。
市川 そうですね。球団マスコットやブルーレジェンズ、選手OBが学校訪問や自治体の祭事に赴いたりしていますし、何よりも大きいのは選手肖像や球団ロゴを無償で使用許可をしていることです。それをどんどん使ってもらうことで、当球団のプロモーションにもなります。将来的には埼玉県すべての自治体とフレンドリーシティになれればと思います。
――球場スタッフとファンの適度な距離感も心地よく感じます。
市川 三塁側のL'sダイニングの中通路のところに、その日の先発などが書き込まれたボードが立っているんです。アルバイトの女性が自発的にやっていることなのですが結構、それをファンの方が楽しみにしてくれていて。売り子さんも、ほかのファンの方の邪魔にならないように、ちょっと座ってお客さんと世間話をしますし、ブルーレジェンズも試合中にスタンドを練り歩いて、ファンと交流を深めています。その適度な心地いい距離感は、ほかの球団にはあまりないものではないでしょうか。
チームの勝敗に左右されない観客動員
多くのファンがメットライフドームを訪れ、楽しんでいる
――選手の協力も大きいみたいですね。
市川 昨年も同様でしたが今年も本拠地の開幕シリーズで選手会からの提案で「選手会プロデュースグッズ」をご来場のお客さまにプレゼントしました。また、「秋山選手の背番号にちなんで5月5日にTシャツを配布したいので、デザインを一緒に考えませんか?」と本人に提案したら快く了解してもらって。キャンプ地で打ち合わせを行ったんですけど、僕らは15分くらいでと思っていたところ、1時間くらい秋山選手も真剣に考えてくれたんです。さらに「WBCから戻ってきたら絶対に時間を取るので、最終的なデザインを決めさせてください」と。本当にありがたいですね。
――選手と球団も一体となってファンサービスを考えているんですね。
市川 ヒーローインタビューで「まだ空席があるので、ぜひ球場に足を運んでください」と選手が言ってくれることもあります。そういった視点を持ってもらえることは、すごくうれしいですし、僕らも球団スタッフももっと頑張らないといけないとさらに力が入ります。
――「チームの勝敗に左右されない動員」も目標だそうですね。
市川 実際は左右されると思います。でも、われわれの役目はチームが好調のときに観客動員が伸びる角度を上げる。そして、調子が悪くなったときに下がり幅をなだらかにする。そのためにも、ボールパーク化を遂げつつあるメットライフドームに訪れれば非常に楽しめるということを、もっともっとアピールしていきたいと思います。
取材・構成=小林光男

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