あらゆる意味で大注目の8・27後楽園

 アイスリボン8・27後楽園ホール大会の全対戦カードが発表された(後述)。
 メインイベントは王者・世羅りさvs挑戦者・雪妃真矢のICE×∞選手権試合。マット界屈指の実力派美人タッグチーム「アジュール・レボリューション」のパートナー対決でもある同一戦は当然、大注目。押しも押されぬエースとなった世羅がベルトを死守するのか。レスラーとしての実力もつけ、またメディアへの露出も多い雪妃が新時代の扉を開くのか。来年8・26横浜文化体育館大会が大決定するなど勢いを増すアイスリボンの今後を占う一戦になることは間違いない。
 さらに「ベストフレンズざんまいの夏にする」と豪語しておきながら、アイスリボン7・17横浜で負け、WAVE8・12大田区で負けと黒星が続いている藤本つかさ&中島安里紗が臨む大畠美咲&水波綾組との3番勝負最終戦があったり、また北都プロレス8・20北海道・岩見沢大会で初の母娘シングル対決をおこなった〝星オヤ子〟星ハム子と星いぶきによる2度目の一騎打ちや、アメリカ遠征を目前に控えた藤田あかねが、元祖ハードコアクイーン・KAORUと初シングルをおこなうなどなど見どころ満載の全7カードが組まれた。

全力全開の女子プロレス!

画像: コブラツイストをかけているのがTeamDATE。写真左から華DATE、法DATE、直DATE。やられているのがテキーラ沙弥、長崎まる子、トトロさつき

コブラツイストをかけているのがTeamDATE。写真左から華DATE、法DATE、直DATE。やられているのがテキーラ沙弥、長崎まる子、トトロさつき


 そんなアイスリボン8・27後楽園で記者が非常に楽しみにしているのが、長崎まる子&テキーラ沙弥&松屋うの&トトロさつきvs〝TeamDATE〟華DATE&法DATE&直DATE&華蓮DATEの4対4イリミネーションマッチだ。
 普段、アイスリボンを見てないファンは長崎まる子やテキーラ沙弥と言われても「誰?」となるかもしれないし、「華とか法とかなんでみんな名前の後ろにDATEって付いてるの?」と思うかもしれない。
 それもそのはず。8人のなかで最もキャリアのある長崎まる子で2015年9月のデビュー、つまりキャリア2年に満たない選手なのだ。テキーラは昨年3月、松屋は同6月、トトロさつきなら今年3月のデビュー。それぞれアイスリボンらしい明るく、魅力的なキャラクターをもった4人ではあるが、キャリアでいえばまだまだ新人の域を出ない。
 対する〝女子格4姉妹〟TeamDATEにいたっては今年4月の後楽園大会でプロレスデビュー。インド王族武術マハーラージャカルーリカを学んだ4人は、女子格3冠王者の華DATEを筆頭にキックボクシングやMMAなど格闘技戦線で活躍。とはいえプロレスファンへの認知度はまだこれからといった状態。それにプロレスは格闘技のバックボーンがそのまま通用する簡単なリングでもない。
 だが、藤本つかさの指導のもと、悪戦苦闘しながらプロレスラーとしての練習をこなし、デビュー後もプロレスのリングで必死に、そして楽しそうに闘う4人の姿は非常に好感が持てる。
プロレス界では格闘家が腰かけ的にプロレスに参戦することがあるが、それとはまるで違う印象。このまま4人が成長してくれたら、きっと4人が4人とも団体の宝になる存在といっても過言ではないと思う。が、プロレスラーとしてはまだ発展途上だ。
 そんなまる子らアイスリボン新世代の4人と、TeamDATE4姉妹の対抗戦。「これのどこが注目なの?」と聞かれたら、全力全開バッチバチの女子プロレス感を味わえるからだ。

長崎まる子と華DATE、ピリピリのシングル対決

画像: 6・25横浜大さん橋ホール大会で一騎打ちをおこなったまる子(左)と華DATE。結果は華の勝利に終わった

6・25横浜大さん橋ホール大会で一騎打ちをおこなったまる子(左)と華DATE。結果は華の勝利に終わった

 TeamDATEがデビューした4月以降、この人たち、見る側があきれるぐらいバッチバチにやり合い、気持ちをぶつけ合っている。技術とかキャリアとかそんなものを超越したムキ出しの闘いとでも言おうか。ライバル意識や敵対心、ジェラシーとか好悪とかあらゆるものをすべてリングにさらけ出しちゃう女子プロレスならではのムキ出しっぷりは、目をクギ付けにさせる何かがある。
 記者は今年2月にアイスリボンの担当に就任。それまで女子プロとの接点はほとんどなかったが、アイス担当になってから、チラホラと女子プロ団体の取材に行くようになったが、何が印象に残ったかと振り返ればアイス新世代とTeamDATEの抗争になってしまう。
 なかでもアイスリボン6・25横浜大さん橋ホール大会でおこなわれたまる子と華DATEの一騎打ち。アイス新世代とTeamDATE対抗戦の最初のターニングポイントとなった、いわば大将同士のシングルマッチは強烈だった。

画像: 4月のTeamDATE入団会見で真っ向から異を唱えた長崎まる子(写真左)

4月のTeamDATE入団会見で真っ向から異を唱えた長崎まる子(写真左)

 4月におこなわれたTeamDATEの入団会見の際、彼女たちのプロレス入りに真っ向から異を唱えたのがまる子だった。
 プロレスが好きで、カバンひとつで長崎から上京。地道に練習をして、デビューが決まったかと思えば肺気胸にかかりデビュー戦が流れたり。やっとのことでプロレスデビューを果たした苦労人だ。プロレスが好きだから、アイスリボンが好きだからどんなに時でもニコニコ笑って、試合になれば猪突猛進、躍動感満載に暴れまわっている。
 一方、TeamDATEは、ドキュメンタリー番組でアイスリボンを知り、昨年大晦日「RIZIN」に出場した堀田祐美子のロープワークに衝撃を覚えて、プロレスに興味を持ち、アイスリボンに上訴状を送って入団というかなりの変わりダネ。
 入門後は藤本を「組長」と仰ぎ、プロレスの練習をおこなってきたのだが、いつも4人まとまって、組長のもと和気藹々と連取している様子が、まる子に疑問を抱かせた。だからTeamDATE入団会見のとき、「(まる子は)本気でプロレスやるために出てきたんですよ。でも会見見てたら、ほんとにただプロレス楽しいだけで来てるのかなって思って…(涙ぐみながら)本気を感じなくて。ほんとに中途半端な気持ちで、生半可な気持ちでやるなら、プロレスしてほしくないです。以上です」と激情をブチまけた。ファンのなかにもまる子と同じような思いを抱く人が少なくなかったのではないだろうか。

 だが、現実は非情だった。4・24後楽園のTeamDATEデビュー戦でアイス新世代は敗北。まる子にいたっては華DATEのサブミッションを食らい、レフェリーストップ負けとはいえ黒星を喫した。その後もアイス新世代は負けが続いた。一方のTeamDATEは強さを示し、またプロレスへの順応と本気を見せ、アイスリボンのなかでも自分たちのポジションを築きつつあった。
 そんななかでの一騎打ちだっただけにゴングが鳴る前から両者ピリピリ。記者はアントニオ猪木が創設したIGFなどプロレスから外れたプロレスを取材してきた。闘魂のリングには一線を越えた戦いもしばしばあって、そのたびにヒリつくような思いを味わってきたのだが、まる子vs華DATEの一戦も「この緊張感はたまらんな!」と思うぐらいの空気感を醸し出していた。
 華の強烈なローキックでまる子が顔をゆがめたかと思えば、まる子のガムシャラ過ぎるドロップキック10連発で華を翻ろうさせた。場外戦に転ずれば、両軍のセコンドもヒートアップ。このバチバチ感はある意味でアイスリボンらしからぬものかもしれないが、それでもアイスらしいとか、らしくないを超えた面白い試合だった。記者の目は、悔しいかなリングにクギ付けになった。結果、ここでも完敗を喫したまる子らアイス新世代が涙ながらにリベンジを口にしたバックステージもグッとくるものがあった。

完全決着イリミネーションマッチ

画像: アイス新世代とTeamDATEの完全決着戦は8・27後楽園のセミファイナルに昇格

アイス新世代とTeamDATEの完全決着戦は8・27後楽園のセミファイナルに昇格

 その後も両軍は対戦を重ねてきたが、そのテンションはまったく落ちない。戦績でいえばアイス新世代が一矢報いる試合もあったが、全体的にはやはりTeamDATEが優勢。華DATEにいたっては世羅りさの持つICE×∞王座への意欲も口にしている。
 その意味でも今回の試合がもつ意味が大きい。
 この試合は一般的なイリミネーションマッチで採用されているオーバー・ザ・トップロープルール(サードロープを越えて場外に転落したら失格となるルール)は不採用。おまけに時間無制限。つまり、どちらかがリングを去るまで試合は終わらない完全決着戦となっている。「オーバー・ザ・トップロープルールで場外に落とされたから…」とか「時間切れでドロー」とかそんな言い訳は一切きかない。
 2017年8月27日現在、まる子らアイスリボン新世代が上なのか、〝女子格4姉妹〟TeamDATEが強いのか、否が応にも答えが出てしまう一戦なのだ。
 アイス新世代が逆襲へのノロシを上げるのか、TeamDATEが同世代抗争に区切りをつけて次のステップに進むのか。いまアイスリボンは勢いに乗っていて、観客動員やメディアへの露出も増しているが、その要因のひとつに若い世代の充実がある。だからこそ団体側もこの試合を当初予定されていた第5試合から第6試合、つまりセミファイナルに格上げ。より注目度が増すシチュエーションで決着戦を組んだわけだ。

抗争の先に、ハッピーは生まれるのか

画像: TeamDATEから「組長」と慕われている藤本つかさ(写真中央)はこの一戦をどう見るのか

TeamDATEから「組長」と慕われている藤本つかさ(写真中央)はこの一戦をどう見るのか

藤本つかさ
「(アイス新世代とTeamDATEのバチバチ感がアイスらしくないという声もあるが?)でも、あれも含めて私はアイスリボンだと思います。いまのアイスの勢いの原動力のひとつが若手たちの抗争だと思うので。バチバチやって、もしかしたら嫌な気分になるファンの人たちもいるかもしれないけど、そこは〝線〟で見続けてもらえればなって思います。これがいつかハッピーにつながるかもしれないじゃないですか。私はそれを信じて組みましたから。私自身が見たい!っていうのが一番なんですけど(笑)、でも例えばまる子と華がこれから先どんなふうになっていくんだろうとか考えたらワクワクしかないですから」

 プロレスでハッピー!をうたうアイスリボン、試合でどれだけ激しくやりあってもゴングが鳴ればノーサイド。笑顔で「プロレスでハッピー!」を叫ぶのが常。しかしアイス新世代とTeamDATEは試合が終わっても「負けてなるか!」と感情ムキ出しにする。試合以外の部分でもライバル意識をぶつけあう。アイスリボンらしくないと言われることもある。
 だが、いまはバチバチやり合っている両軍だが、この先もしかしたら、例えば他団体との闘いで力をあわせてアイスリボン代表として闘っていることだってありうるかもしれない。まる子と華がICE×∞王座をかけ争っている日も訪れるかもしれない。アイス新世代とTeamDATEが紡いでいる濃密な闘いは、何が生まれて、どう転がるかはわからないけど、きっと未来につながっていく。
 と、まぁあれやこれやとつづってしまうぐらい、楽しみなアイス新世代対TeamDATEの4対4イリミネーションマッチは、アイスリボン8・27後楽園で運命のゴング!

アイスリボン8・27後楽園ホール全対戦カード

「不思議の国のアイス2017」
★8月27日(日)東京・後楽園ホール(12:00)
⑦ICE×∞選手権試合(30分1本勝負)
 <王者>世羅りさVS雪妃真矢<挑戦者>
⑥イリミネーション8人タッグマッチ(時間無制限完全決着)
 長崎まる子&テキーラ沙弥&松屋うの&トトロさつきVS華DATE&法DATE&直DATE&華蓮DATE
※オーバー・ザ・トップロープルール不採用。負け抜けでメンバーが0人になったチームが負け
⑤タッグマッチ(20分1本勝負)
 藤本つかさ&中島安里紗VS大畠美咲&水波綾
④20分1本勝負 ※試合形式未定
 KAORUVS藤田あかね 
③3WAYタッグマッチ(20分1本勝負)
 松本都&葛西純VS宮城もち&世志琥VS弓李&尾崎妹加
②ゆうひ(仮)デビュー戦(15分1本勝負)
 豊田真奈美VSゆうひ(仮)
①10分1本勝負
 星ハム子VS星いぶき

画像: 8・27後楽園のメインイベントは世羅りさ(写真右)vs雪妃真矢(写真左)のICE×∞選手権試合。8月23日発売の週刊プロレス本誌では王者・世羅のインタビューが掲載されている

8・27後楽園のメインイベントは世羅りさ(写真右)vs雪妃真矢(写真左)のICE×∞選手権試合。8月23日発売の週刊プロレス本誌では王者・世羅のインタビューが掲載されている

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