画像: 【女子W杯 現地リポ】 前に出られなかったイタリア戦。W杯の過酷さ実感。

【女子W杯 現地リポ】 前に出られなかったイタリア戦。W杯の過酷さ実感。

前に出るディフェンスでプレッシャーをかけたかったが、
連戦の疲れもあって完全には機能しなかった(撮影:出村謙知)
例えば、「80分間覚悟を決めろ」と臨んだプール戦2試合目のアイルランド戦と比べた時、キックオフ前の時点でチーム全体から感じるエネルギーという意味では、正直、物足りないなと思った。
「9位にならなきゃいけないという責任はみんな感じていた」
HO齊藤聖奈主将は、順位決定トーナメント初戦でイタリアと対戦することになったサクラフィフティーンの試合前の雰囲気をそう代弁。
15年ぶりに出場したワールドカップでベスト8を目標に掲げたが、プール戦でフランス、アイルランド、オーストラリアに対して3連敗し、9~12位決定トーナメントへ。
プール戦ではアイルランドに対しては前半14-0とリードして折り返し、オーストラリア戦でも前半46分、後半12分、同18分と3連続トライを決めて一時は4点差に追い上げるなど、目標の8強入りしていてもおかしくない戦いぶりも見せた。
それだけに、日本と香港のアジア勢を除けばワールドカップ参加チーム中世界ランキングが一番下のイタリア(10位)に対して「勝たなければいけない」という意識が重圧につながった面は間違いなくあっただろう。
アイルランド戦でも、オーストラリア戦でもそうだったように、キックオフ直後は日本が敵陣で攻める時間帯はしっかりあった。
そして、これもまたプール戦と同じように、攻め込みながら自分たちのペナルティやミスでチャンスを潰した。
「我慢勝ちしよう」(SO山本実副将)という意識がチームに根付いていたからか、あるいはアタックの精度という意味で前半のイタリアがそれほど高くなかった点も幸いしたのか、ハーフタイム直前まではスコアレスの状態が続いた。
ただし、この日の日本のアタックからは、スクラムを中心に前に出る力でアイルランドを圧倒し、オーストラリアをまくりあげた時のようなデンジャラスな雰囲気は皆無だった。
前半終了間際にピック&ゴーでイタリアに先制された時、すでになんとなく勝負がついた雰囲気が漂ってしまっていたのは残念ながら紛れもない事実だった。
「スタートの時点から一歩ずつ、半歩ずつ、リアクションが遅かった。アジリティ、フェイズディフェンスも良くなかった。4試合目にして、戦うエネルギーが残っていなかった。プレッシャーはもちろんあるが、一番はフィジカル面でのタフさ。しっかりリカバリーできたと思っていたが、体がきつかったということ」(有水剛志ヘッドコーチ)
もともと、体力的に劣る日本にとって、格上とばかり中3日で対戦しなければいけないワールドカップのスケジュールは過酷すぎるものだったことは間違いない。
勝たなければいけないというプレッシャー以上に、フィジカルで勝る格上相手に自分たちのラグビーを80分間続ける余力が残っていなかったということだろう。
「アタックでは継続がチームで決めたフォーカスポイントだった。どういうふうに実行するのか、頭ではわかっていたが、ワールドカップの場では実行に移せなかった。レッグドライブと言われて、できる選手はできるけど、全体としては統一しきれなかった。これが1試合目で、やるべきことがわかっていたらできていたと思いますが、何試合も体張って、前で止め続けたダメージもあって、しんどいし、前に出られなかったということ。できる能力は持っている。でも規律の部分でできなかった」
プール戦時に比べて前に出るエネルギーを出し切れなかった要因をそう語るのは、BKにケガ人が出たこともあって、この日はCTBとして先発したベテランの鈴木彩香。
前半の時点ですでにエネルギー切れしていたようなサクラフィフティーンの実情を見透かすように、後半に入ると積極的にボールを動かし、外側のスピードランナーたちを走らせ始めたイタリアのアタックについていけずに3トライを重ねられ、ワールドカップの過酷さを実感する敗戦となった。
(文:出村謙知)

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