画像: 【高校野球】花咲徳栄の左投手攻略のポイントとは?

【高校野球】花咲徳栄の左投手攻略のポイントとは?

埼玉県勢初の夏の甲子園制覇を果たした花咲徳栄。全6試合で9得点以上を記録した強力打線が頂点をつかんだ要因の一つだ。決勝でも広陵の左腕、平元銀次郎、山本雅也から14点を奪ったが、左投手攻略に明確な理論があった。
タイプを2つに分類する
選手に指示を送る花咲徳栄・岩井監督
花咲徳栄の岩井隆監督は「左投手には大きく分けて2つのタイプがある」と言う。踏み出し足を突っ張って、上半身主動で投げるタイプと踏み出し足のヒザを曲げながら送って体重移動をして投げるタイプだ。突っ張り型は投球に角度が出て、タテの変化を出しやすいため、直線的な配球が増える。ヒザを曲げるタイプはカーブやスライダー、シュートやスクリューなど横の変化を出しやすく、ベースの幅を使った配球になる。
「研究する際は、このタイプの違いを見分けること。球種では、右打者の外角に抜く球、落ちる球があるかどうか。ナチュラルでシュートするかどうかも含めて確認します」
また、制球力も重要なポイントとなる。
「右打者の内角の球は左打者になると外角になります。ただ、右打者の場合は打者が目標物になって内角に投げられても、左打者には狙いがなくて投げづらいという投手がいるからです。また、左打者の内角に投げられるかどうか。意外と投げられない投手は多い」
そうした傾向をつかむことが左投手攻略の糸口になる。
選手に合わせた攻略法を選択する
花咲徳栄の岩井隆監督は左打者が左投手を攻略するポイントとして、打者のスイングに制約をかけることを一つの手段としている。
「対左投手では、開かないで打つのが絶対」
そこであえてフォームを変えさせる。
「体を回さないで重心の移動で打つ。ただ、足を上げると前に突っ込みやすいため、できない選手に関しては、足を上げずにノーステップで打たすことでイメージをつかませます」
ノーステップであれば、初めからトップに入っているため、重心移動の感覚をつかみやすい利点もある。
また、開かないで打つ練習をするときは、「きれいに打とうとしないことが大事。やや詰まったとか、やや引っかけたけどいいところに飛んでいけばそれでOKです」。
もう一つは狙い球。球種、コースにヤマを張る。そして、開かないで打たせる打者と狙い球で打つ打者を、選手の力量によって使い分けなければならないと考えている。
「ヤマを張って打つ場合、内と外の両方は打てませんから、内角と外角を張る人間を変えます。全員同じコースを待っていてもダメ。すぐにバレます」
ただ、左投手をひとくくりにした攻略法はないとも思っているという。
「実際、普通に打てる左投手もいるわけです。それをムリに反対方向を意識させるから打てなくなることがある。普通に打てるならそれでいいわけです」
左打者は左投手を打てないという先入観も邪魔。ベースの両端に質の良い直球と変化球を完璧に制球できる投手はほとんどいない。左打者の内角に投げられない左投手も多く、投げられるボールを制限できるのであれば、左打者ばかり並べることも効果的だ。
「制球のいい投手だと左打者の方が打ちやすいのは間違いない」と考えている。
「打つよりも崩す」イメージを持つ
対策を講じても、左の好投手から連打は期待しにくい。花咲徳栄の岩井隆監督は「打つより、崩す」イメージを大切にしている。
「前半から徹底して狙う球を決めて、後半は逆に切り替える。一番から九番まで同じではなく、それぞれ狙い球を決める。右打者と左打者によってやることを変えるなどチームとして何かをする。それに加えて、足を使ってかき回す。バントやエンドランです」
大事なのは一塁走者の動き。一塁走者を視界に入れられる左投手は走者の動きを気にする傾向にある。クセを見極め、フェイントで重圧をかける。
「ポイントは投げる瞬間に動くこと。足が上がってホームに投げようと踏み出すとき、手の上がった瞬間に動く。このときは絶対に走者が見えています。頭を振るだけでも走ったと思うんじゃないでしょうか」
これは足が遅くても可能な動き。全選手がそうして投手に重圧をかける。
一般的に左投げの選手は投手か一塁手か外野手しかポジションを経験していない。そのためフィールディングが悪い投手も多いと考える。三塁側へのバントは体を回転しなければ一塁に投げられない。セーフティースクイズも三塁側が効果的。小技を駆使する頻度も左投手に対しては上がる。
投手のタイプと打線を照らし合わせて攻略法を選択するのが左投手攻略のポイント。そして選手の左投手に対する先入観を払拭し、投手から見える一塁走者がいかに重圧をかけられるか。
「『打つよりも崩す』のイメージを持つことが大事だと思います」
文=ベースボールクリニック編集部 写真=BBM

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