プロ野球人生を翻弄された男が戦う4年目

持ち味は攻守走のバランス。バットでもアピールを続ける
まさかの連絡だった。2014年ドラフト4位で巨人に入団した奥村展征は翌15年1月、次のシーズンへ向けて準備を進めていた。ヤクルト・相川亮二がFAにより巨人に入団したことで、「人的補償には誰が?」が、チーム内での関心事だった。だが奥村は、そんな先輩たちの会話も他人事のように聞いていたという。
「プロ1年目だったし、FA制度そのものも、よく理解していませんでしたから」
そんな矢先に来た、一本の電話。2年目のシーズンから、ヤクルトのユニフォームを着てプレーすることになった。
19歳、在籍1年の選手が人的補償で移籍するのはもちろん、史上最年少、最少在籍年数となった。ただし、ドラフトで巨人に指名され、巨人のユニフォームでの活躍を目指していた本人の悔しさは想像に難くない。しかし、奥村に後ろ向きの発想はなかった。
「プロに入る前、好きな球団や行きたい球団は特になかったし、新しい環境でまた頑張ろうと思えました」
迎えた4年目、大きな躍進を見せている。7月11日に「八番・遊撃」として今季一軍初出場を果たすと、その第1打席でプロ初安打。自身のプロ野球人生が大きく動き始めた。以降も遊撃での先発出場を重ねている。「たられば」になってしまうが、巨人に残っていれば、正遊撃手には坂本勇人がいる。ここまでの出場機会があっただろうか。
「正直、遊撃は自分に向いていないんじゃないかな、と思うことがあるんです」
内野では二塁、三塁も守れるユーティリティー選手。それでも首脳陣が遊撃で起用し続けてくれていることを意気に感じ、必死でプレーする毎日だ。故障者が続出するチームは、上位と大きく引き離されての最下位。そんな状況だからこそ、若手が台頭するチャンスが存在する。燕の正遊撃手となるため、この機会を逃すわけにはいかない。
文=富田 庸 写真=BBM

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