画像: 優勝の味を知るチームと忘れつつあるチーム

優勝の味を知るチームと忘れつつあるチーム

9月23日、優勝決定後はじめて地元・福岡に帰り、ヤフオクドームのファンに優勝を報告するホークスナイン
2年ぶりにパ・リーグの王座に返り咲いたソフトバンク不動の三塁手にしてムードメーカーでもある松田宣浩に、常勝チームを築く上で大切なことを尋ねると、優勝経験豊富なベテランらしく明確な答えが返ってきた。
「一番大切なのは、優勝を逃したとしてもできるだけ早く取り返すことです。翌年が理想。少しでも間隔を空けてしまうと、返り咲くのは難しくなります。それっていうのは、優勝するための“感覚”が薄れてしまうから。優勝の喜びもその1つで、その喜びは優勝したメンバーしか味わえないものですが、ところが、チームのメンバーは毎年少しずつ変わっていきます。メンバーが残っているうちに、新たに出てきた若い選手に、また優勝の味を知ってもらうことが重要。そうやって良いものを伝えていく。歴史的に見ても連覇とか、短期間で複数回の優勝が多いのは、そういうことなんだと思います」
今季のパ・リーグは、前半戦こそ楽天が走りに走ったが、ソフトバンクはペースを乱されることなく着実に白星を重ね、じわりと追い上げて夏を迎えるころにはピタリと並走。そして最後は突き放して見事に優勝を取り返してしてみせた。
これまで2ケタ勝利のなかった東浜巨がパ・リーグのハーラーダービートップの16勝を挙げ(優勝時点)、育成出身の甲斐拓也が正捕手をうかがい、高卒4年目の上林誠知は初の球宴出場を果たすなどブレーク。「若い子が頑張った年に優勝することに意味があります。頑張ると、こんなにいいことがあるのかと、次の年のモチベーションになるんですよ」と松田。ソフトバンクは再び良いサイクルに入ったといえる。
一方、セ・リーグでは9月18日に広島が連覇を達成。ただでさえ“タナキクマル(田中広輔、菊池涼介、丸佳浩)”や鈴木誠也ら若い選手が中心を担っているのに、今季は投手陣に薮田和樹、岡田明丈と若い2ケタ勝利投手が誕生した。これに九里亜蓮、大瀬良大地が続くなど、“松田宣浩の法則”による常勝の条件を満たしている。
目も当てられないのが巨人だ。15年から3年連続でV逸中と、常勝を義務付けられるチームは負のスパイラルにどっぷり。V奪回どころか9月22日には、その広島に完封負けを喫し(0対5)、自力でのクライマックス・シリーズ(CS)進出も消滅した。翌23日の同カード(マツダ広島)にも2対3で力なく敗れ、11年連続でのCS出場に向けても限りなく赤に近い黄信号が点灯中。ここから抜け出そうにも、来季も広島の高くて分厚いカベが立ちはだかる。果たして、“球界の盟主”が繰り出す、常勝軍団復活のための一手とは。
文=坂本 匠 写真=湯浅芳昭

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