画像: 多くの人の“心”を動かす、清宮幸太郎の決断

多くの人の“心”を動かす、清宮幸太郎の決断

神宮に漂った「清宮ロス」
9月22日、プロへの進路を表明した清宮
進路表明会見から一夜明けた9月23日、神宮球場はやや寂しい空気が流れていた。
極端な表現を使えば「清宮ロス」。
早実・和泉実監督は清宮幸太郎の「プロ表明」を受け、今後のプロ志望届の手続きや、プロ側との面談等について聞かれると「初めてのことなので......」と、困惑の表情を浮かべた。早実は早大の系属校であり、大学進学が既定路線。しかし、清宮は「高校野球で一つひとつステージを踏むことで、プロの世界も見えてきた。この3年間が決め手でした」と、同校では超異例とも言える高卒でのNPB挑戦を決心したのだった。
この日の東京六大学リーグ戦、早大は立大に逆転負けを喫した。試合後、早大・高橋広監督は清宮の決断について、こう反応した。
「大砲を戦力として得られるかどうか。早稲田としても東京六大学としても残念ですね。彼は志が高いので、高いレベルで考えている。本人の決断だから仕方ない」と話した。川口浩野球部長も「(早実から早大への進学は)ふつう(の流れ)だとは思いますが、本人、保護者が判断したことですから、それ以上のことは言えません。早稲田大学野球部が関与することはできない」と、清宮の意志を尊重する姿勢を示した。
清宮の2学年上で、当時早実の主将だった加藤雅樹(2年)は今春から早大の四番を務める。「プロ志望」は前日の会見で初めて知ったという。
「彼が選んだ道なので、応援してあげたい。(大学で)一緒にやりたい気持ちもあった。彼が来たら六大学も盛り上がりますし......。ただ、彼の人生なので口出しはできない」
個人的な相談はあったのか。その“内幕”を語ってくれた。
「(大学で)何かあれば相談して、という話をしましたが、聞いてくることはなかった。(大学は)ないのかな? と自分の中では思っていました」
“消沈ムード”は周辺からも聞こえてきた。
「最近、大学球界に限らず、プロ、社会人でも言えることですが、ホームランバッターが少ない。そういう面では、清宮君は可能性のあった選手。高橋由伸さん(巨人監督)の23本(のリーグ記録を)大幅に更新するのか、楽しみの一つではあった。本人が決断したことですから、頑張ってほしい」(東京六大学野球連盟・内藤雅之事務局長)
早大にとって、永遠のライバル校である慶大・大久保秀昭監督(元近鉄捕手)にとっても、怪物の進路は関心事だったという。
「世間が注目する選手は、アマチュア球界には、なかなかいない。プロもそうですが、スターが一人入ると、相乗効果になる。これまで足を運ばなかった学生などの観客動員増により、選手も張り切るし、その雰囲気の中でプレーすればレベルも上がっていく。起爆剤になるチャンスだっただけに残念です」
対照的にプロ側は大歓迎だった。あるベテランスカウトは「プロへ行きたいと思っていたのなら、早いほうが良い。この選択は、正解だったと思います」と語った。今回のプロ表明はドラフト戦線を大きく動かすと指摘。清宮の1位重複は確実と言われている中で、「その間を縫って、一本釣りに行きやすくなった」と言う。つまり、競合を回避して、即戦力の社会人投手を指名する選択肢が広がったと、説明したのだ。しかし、これも腹の探り合い。10月26日のドラフト当日まで何が起こるか分からない。
18歳・清宮の決断は、多くの人の心を動かしている。
文=岡本朋祐 写真=大泉謙也

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