画像: 「言えないような問題」も乗り越えて。中大・三枝が育む絆とリーダーシップ。

「言えないような問題」も乗り越えて。中大・三枝が育む絆とリーダーシップ。

春から夏にかけ、遅れを取り戻そうと必死だったのが中大ラグビー部だ。
3月末に部員がはしかにかかり、保健所の指導でチームは活動自粛。参加が予定されていた春季大会も辞退した。
松田雄監督ら首脳陣は、手分けして部員たちを一時帰省させた。公共交通機関の使用も禁じられていたため、それぞれ乗り捨てのレンタカーのハンドルを取った。北陸地区を「担当」した酒井宏之パフォーマンスコーチは「おかげで選手たちといいコミュニケーションが取れましたけどね」と振り返ったものだ。
5月8日の再始動後は、ブランクを埋める作業とチームワークの醸成に苦心した。ここで先頭に立ったのが、主将の三枝優介である。松田監督から「自覚を持つように」と言われ船頭役になるや、想定外の事態に直面したのである。
休むよう命じられた時はけが人だったとあって、「この1か月間で身体を元に戻そうと、ポジティブに考えていました」。ところが改めて仲間と顔を合わせれば、「1か月のアドバンテージは大きかった」と痛感してしまう。それぞれがハングリー精神を高めていたのは嬉しかったが、練習試合で垣間見える試合勘の欠如や戦術理解の遅れに危機感を抱いたという。
「寮内で言えないような問題もあったりして、そのたびに4年生やリーダー陣が『よくしていこう』と話し合いました。徹夜で...という時もありました」
もっとも、ハードルを乗り越えるなか絆を深められた。夏合宿が始まる時点で「4年生全員を頼りにしていて、何かを相談するのも4年生。練習では自分より声を出してくれる人間が何人もいて、プレーでも引っ張ってくれる」と胸を張ったほどだ。
自らの成長も実感した。
「確かに3年生までは、発言などをしなかったところがあって。今年からはチーム全体に目を向けるようになりました。練習中、良くも悪くもチームに変化があったとしたら、そこで絶対に声をかける。3年生の頃までの自分ならありえなかった」
秋の関東大学リーグ戦が始まれば、開幕2連勝をマーク。9月10日は高崎・浜川陸上競技場で、拓大との打ち合いを45-36で制す。続く24日には、東京・秩父宮ラグビー場で日大に33-14と競り勝った。
「僕たちはリーグ戦のなかでも身体が小さいので、どのチームよりも動く」
10月9日、東京・上柚木陸上競技場で法大と第3戦目をおこなう。山梨・日川高出身の身長181センチ、体重99キロのLOは、言い訳無用で勝利を目指すのみだ。
(文:向 風見也)

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