画像: ルーキーらしからぬ落ち着いたクォーターバッキングをみせた日大QB林。 撮影:H.Yamada

ルーキーらしからぬ落ち着いたクォーターバッキングをみせた日大QB林。 撮影:H.Yamada

 関東大学TOP8第3節、優勝候補の日大についにエースナンバー10番をつけたクオーターバック(QB)が登場した。大阪府立大正高校出身のルーキー林大希だ。

 ファーストシリーズ、WR桑原司の好リターンで得たチャンスに、WR小倉豪らにテンポよくパスを通して、RBウイリアムズの5ヤードTDランで先制する。第1クオーター終盤には、インターセプトで得たチャンスを1年生RB川上のTDランに結びつけた。

 守備が安定してきた日大は、明大得意のランオフェンスを完璧に抑え込み、許した得点は、ゲーム終盤の1TDのみ。45-7で全く危なげなく明大を下した。

 林は神戸学院大でフットボールをしていた父・義宜さんの影響で、小学校1年生からチェスナットリーグの住吉川86スコーピオンでフットボールを始めた。小学校卒業後は中学生チームがある大阪ベンガルズに籍を移す。関大一高から大正高校へ転校してフットボールを続け、高橋遼平に憧れてフェニックスの門を叩いた。

 フェニックスの10番には特別な意味がある。チームのリーダーというだけでなく、日本を代表するQBである証といってもいい。これまで同時代最高のQBが着けてきた背番号だ。ルーキーQBは、その重みをどこまで感じているのか。13番をつけて第1戦、第2戦で先発したときから気持ちの上では大きな変化はないと言う。

「10番と13番、どっちがいい? 10番に変更したいかと長谷川(昌泳)コーチに言われたので、『はい』と答えました。13番でファースト(スターター)で出たときから責任と重圧は感じていて、10番も13番もやることは一緒かなと」

 21回の試投で11回の成功、160ヤード、1TDは、フェニックスの10番をつけたQBとしては、不満の残る内容だろう。試合後には反省が口をついた。

「ファーストシリーズはテンポよくとれたのですが、次のシリーズから通せるパスを通せなかったり、判断が悪かったり、テンポを落としてしまったり、課題がたくさん残りました」

 まだ完成形とはいえないが、このチームに10番がいることに大きな意味がある。信頼に足る司令塔が登場したことを示しているからだ。甲子園ボウルへの大きな関門が、10月29日に富士通スタジアム川崎で行われる早大戦だ。関東学生TOP8の天王山といえる戦いに向けて、4週間でルーキーQBがどこまで成長できるか。ここを乗り切ることができれば、フェニックスがフェニックスであることを証明できる。

画像: 2016年のニューイヤーボウルの高校大阪代表の林。このときにも10をつけていた  撮影:H.Yamada

2016年のニューイヤーボウルの高校大阪代表の林。このときにも10をつけていた  撮影:H.Yamada

【日大フェニックス 内田正人監督インタビュー】

試合直後の内田監督に話を聞いた。指揮官からは厳しい言葉しか出てこない。目指している頂点の高さを知っているからだろう。

自滅ですよ。もたついている。もうちょっとやらないと、これから勝てないですよ。

――ディフェンスが強くなったという感じを受けました。

ディフェンスの意識はよくなったのだけど、全体的にはまだまだ。1人でタックルにいって、全員が集まっていない。早稲田とか、日体、慶応、これから上位なので、きついですよね、これだと。上位とやったらうちがもたついている間に、つけ込まれてしまいます。今日みたいな試合をやっていると。

――(1年生QBの)林に対する評価はどうでしょうか。

評価はまだできない。頑張っているでしょうけど。

――10番をつけさせましたね。

僕は何も言っていない。彼らが自分たちで決めたのです。僕は言わないですよ。僕は番号にはこだわりはない。これをつけなさいということは1回も言ったことがない。

――1年生で10番をつけるのは…。

何をつけても結果ではないですか。数字であったり、勝ち負けであったり。周りから10番だと言われて、彼がどう考えるかですね。考えなさいと。

――今日は、落ち着いてリードしていた感じはしました。

上位校と当たったら、あのくらいでは通用しないですよ。少しでも隙を見せると、ダダダっと来られる。

――今日、ラインがよかった。

そうですね。ラインはよかったですね。

――今年はRBがいいですね。

意識が高いRBが揃いました。でも、これからです。

――今年は1年生を中心に、若い、生きのいい選手がいっぱいいる。

そうですか。たまたまです。

――これから始まる上位チームとの対戦はどうですか。

相当直していかないと上位は難しいですよ。早稲田だとか、2連敗している慶應も考えてくるだろうし、彼らはそのへんにピークを想定しているはずです。法政も気をつけないといけない。

――現時点での勝ち星は全く関係ない。

全然関係ないですね。勝っていかないと。とにかく、早稲田が次の次にくるので、勝ち星は関係ないです。リーグ戦がこの形になって、チームの力が拮抗しています。

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