画像: ラグビー人生最後の年。筑波大LO堀込紀行(理工学群数学類4年)の熱量。

ラグビー人生最後の年。筑波大LO堀込紀行(理工学群数学類4年)の熱量。

明大の前進を体を張って止める筑波大LO堀込紀行。(撮影/松本かおり)
185cm。目立って大きいわけではない。ただ、絶対に手も気も抜かない。タックル。ラックに頭を突っ込む。そして、またタックル。
密集の下敷きになっても、何度も何度も這い出して起き上がり、すぐ走り出す。セットプレーでは跳び、持ち上げ、しっかりパック。力いっぱい押す。
「なぜ、自分がメンバーに選ばれているか。その理由を考えたことはありません。試合に出るからには頑張る。それだけです」
正しい。
日常から周囲に見せているその意識、プレーを評価されて試合に送り出されているのだから、ありのままの自分を出し切るだけだ。
10月1日に秩父宮ラグビー場でおこなわれた明大×筑波大の中に堀込紀行(ほりごめ・のりゆき)はいた。最終的には28-68で敗れたが、前半は21-21と対等に戦った筑波大の背番号4。地道に、そして武骨に体を張り続けた。
「今年の筑波は、前半も後半も立ち上がりはいい感じでやれているんです。でも、前半の終盤、試合の終盤に失速してしまう。(今季初戦、26-43と敗れた)慶応戦もそうでした。だから、今日はそこをなんとかしようと話していました。前半はチームとしても、個人としてもよく戦えたのですが」
後半15分、21-40といっきに差を開かれたところでベンチに下げられた。「ショックでした」と振り返った。
大学4年生になって、春からスタメンに名を連ねることが多くなった。しかし、今季がラグビーをやるのは最後の年になると思っている。
大学院に進学するからだ。
理工学群数学類に学んでいる。明大戦の先発メンバー15人の中で、アスリートを輩出する体育専門学群以外に学ぶ者は自分ひとりだった(リザーブのPR荻原嵐、FL森太生も理工学群に学ぶ)。
大学進学前は、どの大学で勉強とラグビーを両立させるか悩んだけれど、この大学に来て本当に良かったと思っている。
「筑波は平等なんです。練習が始まる時間が、すべての学群の授業が終わった後の時間です。他の大学に進学した友だちとかと話すと、理系だから練習に遅れて参加しなければいけない...とか聞きます。でも、うちは全員が一緒に始められる」
毎日、ペンを置き、ノートを閉じたら、すぐにグラウンドに向かってきた。
埼玉・蓮田の出身。教育方針が気に入って、北海道の函館ラ・サールへ進学した。先輩に誘われてラグビー部に入部。中学、高校と寮生活を送り、北の大地で楕円球を追った。
このスポーツに出会えて本当によかった。
「ラグビーをやっていなかったら、平凡な人生を歩んでいたと思うんです。人間的に成長させてもらえました」
4年生になって、内面に変化が起きている。
「試合に出られないメンバーのことを、すごく意識するようになりました。試合中、周囲とコミュニケーションをとることもだいぶできるようになった」
ミスから目をそらさなくなった。
「(自分にとっての)最後の年です。ラグビー人生の集大成を」
今年の5月から6月にかけて、母校へ教育実習へ行った。中学・高校のラグビー部の指導にもあたった。そのときの教え子たちは南北海道の予選を勝ち抜き、この冬、2年ぶりに花園のピッチに立つ(2度目)。
刺激をもらった。
教育実習の時は、まだ未完だった後輩たちが大きく変わっていた。
「決勝戦の模様を映像で見たのですが、3年生たちがチームを引っ張っていました。自分も、もっと体を張らないと」
以前は数学の教員を目指していたが、いまは大学院卒業後は違う道に進もうかとぼんやり考えている。学んだことを生かし、企業などで新たなことを生み出す(コンピューターのソフトウェア開発など)。そんな人生に魅力を感じる。
「人と刺激を与え合って、互いに成長していけたら面白いだろうな、と」
チームが生み出すパワーを信じる。それは、数字ではあらわせないものだ。
関東大学対抗戦Aでの残り試合は、あと5つ。でも、堀込紀行のラグビー人生は、残り5試合とは決まっていない。
増やすのも減らすのも自分次第だ。

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