画像: 7人制経験も肥やしにする帝京大・矢富洋則、責任感を「楽しむ」わけ。

7人制経験も肥やしにする帝京大・矢富洋則、責任感を「楽しむ」わけ。

自分のノックオンは、自分のタックルでチャラにする。
10月14日、東京・秩父宮ラグビー場。関東大学対抗戦Aの青山学院大戦に臨んだ帝京大の矢富洋則は、開始早々に落球。もっともその直後、相手ボールスクラムからの攻めに対して強烈なタックルをお見舞いする。結局、アウトサイドCTBとしてフル出場した本人は、件の場面をこう振り返る。
「(落球時は)ちょっとボケていたので、それを取り返すのは(自分の)プレーしかない」
大学選手権8連覇中のチームは、この日も89-5で快勝。もっとも当事者は不満足だ。前半は昨季の対抗戦で8チーム中6位だった相手に、「前半はうまくやろうとしていて、緩さが出た」と岩出雅之監督。特に矢富の立つ大外の攻撃役が、消化不良に陥ったか。
28-5とリードしてハーフタイムを迎えるも、岩出監督は「チームのオプションが増えているなか、それをうまくやりたいというか、(表面的な)美しさを求める部分があった。熱さのないプレーがあった。後半は、火が付いたように映りましたが」。4年となる矢富も「相手を下に見る気持ちはなかったと思いますが、軽いプレーが多くなった」と反省した。
昨季の終盤戦に爆発力を示したこの人、最終学年とあって気を引き締める。
「学年を重ねるごとに責任感が強くなって。勝ち続けることで、負けることへのプレッシャーも感じるようにもなりました。ただ、いまは責任感を楽しめるようになってきました。自分たちがやらないと下(の学年)がついてこないという気持ちでやっていると、後輩たちが頑張る...。そうなるなか、楽しくなりました」
今春は7人制日本代表に参加。普段プレーする15人制との特性の違いを踏まえ、同代表に帯同中はウェイトダウンを図った。「91キロあったのが、87とかに」。帝京大に戻ると改めて体重を増やし、現在は「89か、90キロ」のサイズでプレーするという(身長181センチ)。
15人制と同じ大きさのグラウンドでプレーする7人制を通し「ディフェンスでのコミュニケーションが勉強になった」。それを現在のパフォーマンスにも活かしているという。
確かにこの日も、クラブのエンジンがかかった後半は堅実なタックルを連発。隣のインサイドCTBには新人のニコラス・マクカランが立つことを踏まえ、こう意識する。
「ニックはまだ日本語がうまくない分、簡単な(言葉で)コミュニケーションを取らなきゃいけない。そういう意味でも、(同種の働きかけが求められる)セブンズは勉強になりました」
卒業後はヤマハへ進む。現在、同大出身者がプレーしていないこの場所へ挑む背景には、兄の存在がある。日本代表経験のある11歳年上の勇毅とは一緒にプレーしたことがなく、「兄貴と試合に出るのが目標。1年目から積極的に...」。新天地ではWTB、FBにも挑戦し、兄弟でのトップリーグ(国内最高峰リーグ)出場を目指すという。
「兄貴には『オレに合わせないで行きたいところに行け』と言われたのですが、僕は兄貴とやりたかったので」
ヤマハの清宮克幸監督とは、同部が9月2日にトップリーグの試合で上京した際に対面。一緒にいた兄の勇毅に「勝つも負けるも、お前次第なんだよ」と話しているのを見て、「かなりビシビシ言う人だな」と思ったようだ。
いまは、「責任感を楽しみ」ながら大学選手権9連覇へまい進する。10月下旬以降は対抗戦上位陣とのカードが続くが、「自分自身を含め、気持ちの浮き沈みが多い。それを整えて、前半から100パーセントの力を出していけるようにしたい」と意気込んでいた。
(文:向 風見也)

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