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【元ロッテ・里崎智也に聞く】短期決戦でのリードはどう変わる?

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は捕手編。回答者はロッテ2度の日本一、WBC初代世界一に貢献した、元ロッテの里崎智也氏だ。
Q.プロ野球ではCSが始まりました。里崎智也さんは2005年に2位からプレーオフを勝ち抜いて日本一、2010年には3位からCSを勝ち抜き“下克上・日本一”を果たしたチームの正捕手でした。一発勝負の短期決戦では、どのようなことに重きを置いてリードをしていたのでしょうか。(栃木県・63歳)
A. 基本的にシーズン中と変わりはありません。ただし、無難に大事に行ってはダメです。
イラスト=横山英史
2005年はレギュラーシーズンは2位でしたが、プレーオフを勝ち抜いたチームがリーグ優勝という規定でしたので、パの優勝はわれわれロッテです。今のようなかたちのポストシーズン(CS)となったのは、このあとのこと。私は現役時代、2度、日本一を経験させてもらいましたが、やっぱりなんでも初めてがうれしいもので、10年の“下克上”も大きな話題となったと思いますが、05年の日本一は特に印象深いですね。
さて、質問のポストシーズンでのリードについてですが、基本的にはシーズン中と大きな変わりはありません。戦っている相手もペナントレース中に20試合以上、戦っている相手ですからね。開幕から140数試合(現在は143試合)を経て、さまざまな駆け引きがあり、こちら側にもアップデートされたデータがあります。その集大成。最終戦からポストシーズン開幕までのわずかな時間に、例えば苦手なインコースがガンガン打てるようになることはまず考えられませんから。
また、いまは交流戦もあり、別のリーグのデータも充実しているので、日本シリーズでも同じことが言えます。とはいえ、このような短期決戦で最も避けなければいけないことは、無難なリードになってしまうことです。私はこれを“気持ちの逃げ”と言うのですが、例えば、データ上ではインローが得意とあっても、明らかに調子が悪く、「絶対に行ける!」と感じたにもかかわらず、自分の感性よりもデータを信じて無難にアウトコースを選択してしまう。ありがちですが、これは痛い目を見ることになる可能性があります。
2010年の中日との日本シリーズのことです。中日にはブランコという長距離砲がいて、シリーズ中はインコースが通用していました。ですが、本来はインコースに強い長距離砲ですから、まだ打たれてもいないのに弱気になり、無難にアウトコースを要求したら、スタンドインまで30センチのフェンス直撃打を打たれました。データも重要ですが、「行ける!」と思ったら周りがどう思おうが、根拠があるならとことんやることが大事だという教訓でした。短期決戦だと思って大事に行ったら、取り返しがつかないことになるということです。
●里崎智也(さとざき・ともや)
1976年5月20日生まれ。徳島県出身。鳴門工高から帝京大を経て99年ドラフト2位でロッテ入団。06年第1回WBC代表。14年現役引退。現役生活16年の通算成績は1089試合出場、打率.256、108本塁打、458打点、6盗塁。

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