画像: 全日本大学駅伝で、話題のシューズの
着用率が低かった理由

 昨日行われた全日本大学駅伝で、神奈川大が20年ぶりに伊勢路を制し、箱根駅伝の有力候補に名乗りを上げたことは、テレビの生中継やWEBなど多くのメディアで報じられているので、ご存じの方も多いことだろう。下馬評では、昨シーズン、出雲全日本大学選抜駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝と学生3大駅伝を制した青山学院大と、10月に開催された出雲駅伝で優勝した東海大の2強と言われていた。そんななか、神奈川大が終始安定した走りを見せた。

 このレースを見ていて予想外だったのは、話題のシューズ、ナイキ ヴェイパー フライ4%、あるいは、ズーム フライの着用率が低かったことだ。10月に行われた箱根駅伝予選会では、多くの大学生が着用していた。出雲駅伝では優勝した東海大の主力選手がこのシューズを履いて活躍している。大学日本一を決めるこの大会では、もっと多くの選手が履くだろうと予想していたからだ。

 着用率が低かった理由はいくつか考えられる。まず、全日本大学駅伝の距離が箱根駅伝予選会に比べて短いこと。今シーズン、世界のマラソン界を席巻しているナイキズームシリーズは、衝撃吸収性が高く、推進力の得られるため、距離が長くなればなるほど、効力を発揮するシューズだ。

 箱根駅伝予選会が20㎞なのに対して、全日本の距離は1区から14.6、13.2、9.5、14.0、11.6、12.3、11.9、そして最長の8区が19.7kmだ。15km未満の距離ならこのシューズに頼らなくても十分なパフォーマンスを発揮できると、選手たちが考えても不思議ではない。

 もう1つは、供給が追い付かないこと。日本国内では発売、即完売という状態が続いている。ナイキの担当者は、「もっと選手に履いてもらいたいのですが、数を揃えることができません。特に26.0や26.5cmのサイズは、恒常的な品薄で学生ランナーに履いてもらいたいのですが、提供できないのです」と、打ち明ける。手に入らなければ履きたくても履けない。

 着用率が低い原因はさらにある。ナイキがサポートするチームのある指導者が、「合わないようなんだよ」と教えてくれた。万人に合うシューズではない。特にこれまで薄いソールのシューズに親しんできた選手は、厚底シューズに違和感があっても不思議ではない。使いこなせないというのではない。接地のポイントがずれると、シューズのメリットを感じられないようだ。自分の走りに適応したギアを選ぼうという身体感覚を持ったアスリートが、勝負の舞台で慣れ親しんできたシューズを選ぶのは当然のことである。

 正月の箱根駅伝でもこの傾向は続くのだろうか。いや、ナイキズームシリーズの着用率は確実に上がるだろうと予想している。

 箱根駅伝ではすべての区間が20km以上となり、ハーフマラソンの日本記録を打ち立てたこのシューズの性能を生かせる。発売当初から比べると、供給のタイミングが短くなっているのは、生産体制が整ってきていることを示している。供給が追い付けば、これまで履きたくても手に入れられなかった選手たちも手にすることができる。

 衝撃吸収性の高い厚底シューズは、長い距離のトレーニングをしたあとも疲労が残りにくく、継続したトレーニングができると言うアスリートもいるそうだ。箱根駅伝まであと2カ月、もう一度、きっちりと走り込み、長い距離に対応するトレーニングを行うチームが多い。そのトレーニングで着用すれば、シューズの特性を引き出す走りができる選手も出てくるはずだ。

 東洋大、駒大、神奈川大、城西大、中央大など、ナイキがサポートしているチームの選手はもちろん、東海大の主力選手も、ズームシリーズの着用が予想される。箱根駅伝のシューズ着用率では、国内メーカーが大きなシェアを獲得してきた。これがどのような変化するのだろうか。

 全日本大学駅伝の協力企業に名前を連ねたニューバランスは、新しいHANZOシリーズで攻勢をかける。ディフェンディングチャンピオンの青山学院大をサポートするアディダスの動きも見逃せない。箱根駅伝を協賛しているミズノは、高校時代から愛用しているランナーが多い。もっとも高いシェアを誇るアシックスは、牙城を明け渡す気はない。

 箱根駅伝で活躍するシューズは、高校性アスリートや市民ランナーへも影響を与える。正月の箱根駅伝では、応援する大学の順位だけでなく、着用しているシューズに注目すると、楽しめるはずだ。

 

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