動きを無意識で引き出す
体づくりの手法

 来春の第99回記念選抜高校野球大会の出場校選考の参考資料となる秋季地区大会。中国大会の決勝は11月5日に行われ、今夏、甲子園に春夏通じて初出場を果たしているおかやま山陽が初優勝を飾った。中国地区のセンバツ出場一般選考枠は「3」。優勝したおかやま山陽と準優勝の下関国際はセンバツ出場を確実にした。ベスト4には瀬戸内と尾道の広島勢が残ったが、準決勝のゲーム内容から瀬戸内が3枠目に最も近いと見られる。

 おかやま山陽を率いる堤尚彦監督は、青年海外協力隊員としてアフリカで指導にあたったことをきっかけに、U15、U17ジンバブエ代表監督やガーナ代表コーチ(00年シドニー五輪予選)、インドネシア代表コーチ(04年アテネ五輪予選)を務めたことがある。言葉が通じない相手に、野球の技術を伝えることに苦心した末、行き着いたのが「リズムやテンポで理解してもらう」という手法。おかやま山陽の練習風景にはユニークなメニューが散りばめられている。

 体づくりに用いるのはマット運動や懸垂、雲梯、縄跳びや綱引き。フットサルや卓球、将棋すらも野球の練習の一環だ。

「野球だけが上手にできる選手というよりはアスリートとして何でもできる身体能力があるから野球の技術もスムーズに身につく、そんな体をつくるイメージです」

画像: あらゆるメニューで運動神経を刺激し、「何でもできるアスリート」育成を目指す

あらゆるメニューで運動神経を刺激し、「何でもできるアスリート」育成を目指す

 動きをつかさどる脳の神経系の発達はゴールデンエイジと呼ばれる9~12歳の間に大きく成長し、ピークに達するとされるが、高校生年代でもそこからアプローチすることに遅過ぎることはないと考える。

 実際に今夏の甲子園でエースナンバーを着けた小松章浩は「マット運動やバランス系のトレーニングでできる種目が一つ増えたら、投げるボールのスピードが上がるという直接的な結果を得られた」と語っている。

 野球の技術は野球で身につけるだけがすべてではない。「地元の選手たちで勝負すること」をポリシーとする堤監督は、一見遠回りに見える手法で選手の能力の底上げを図り、結果につなげている。

This article is a sponsored article by
''.