日馬富士暴行問題で揺れた九州場所は、白鵬が14勝1敗で40回目の優勝を果たし、幕を閉じました。10日目まで全勝の白鵬は、11日目の嘉風戦で立ち合いを失敗し初黒星。土俵下で「待った」を主張しますが、認められず約1分間、土俵に上がらず抗議しました。

 翌日、審判部に呼び出され、厳重注意を受けた白鵬。部屋に戻り、何度もリプレイを見て、自分が間違っていたことがわかったのでしょう。素直に非を認めて、謝罪しました。その後はさらに厳しい相撲で白星を重ね、14日目に大台となる40回目の優勝。今後、この記録を破る力士は現れないのではないでしょうか。

 14日目まで白鵬と優勝を争った隠岐の海、北勝富士の八角部屋コンビは、それぞれ敢闘賞、技能賞を獲得。また、アキレス腱断裂から復帰し、昭和以降最年長の39歳で再入幕を果たした安美錦が、千秋楽に勝ち越しを決め、17年ぶり2回目の敢闘賞を獲得し、涙を流しました。

 殊勲賞には2横綱1大関を破った21歳の貴景勝が選ばれました。同学年のライバルである阿武咲も新小結で勝ち越しを決めて三役の座を守りました。これからは彼ら若い力が角界を引っ張っていくことになるのでしょう。

 渦中の日馬富士ですが、千秋楽3日後の29日に引退届を提出し、引退会見を行いました。場所中に引退する意思を固めており、千秋楽翌日に引退届を提出するのでは、という話は聞いていたのですが、関係者、後援者に「まだ早まるな」と説得されていたようです。

 白鵬の優勝インタビューでの「日馬富士関と貴ノ岩関を再び土俵に上げてあげたい」発言は、日馬富士の意思を知った白鵬が、思いとどまらせるために言った言葉だと思います。しかし、責任感、正義感の強い日馬富士は、これ以上迷惑はかけられないと決断しました。白鵬は大変落ち込んでいるそうです。

 若いときは、「引退したらモンゴルに帰る」と言っていた日馬富士ですが、数年前からは、「親方になって弟子を育てたい。お世話になった相撲協会に恩返しがしたい」と語っていました。自分の責任とはいえ、協会を去ることになり、さぞ無念でしょう。

 今回の暴行事件、そして日馬富士の引退は、残念と言うしかありません。

文=山口亜土

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