国内男子マラソンのシーズン到来を告げる福岡国際マラソンが12月3日、福岡・平和台陸上競技場発着で行われる。その大会前記者会見が1日、福岡市内のホテルで行われ、海外招待選手からイエマネ・ツェガエ(エチオピア)、スティーブン・キプロティチ(ウガンダ)、日本人招待選手からは佐々木悟(旭化成)、川内優輝(埼玉県庁)、深津卓也(旭化成)、大迫傑(Nike ORPJT)、園田隼(黒崎播磨)が出席し、意気込みを語った。この他にも今大会には日本のトップ選手が多数出場。マラソングランドチャンピオンシップ出場権と共に、その勝負の行方に注目だ。

世界トップレベルの戦いに注目

 12月3日に行われる福岡国際マラソン出場選手の会見が1日、内外の有力選手11人が出席して、福岡市内のホテルで行われた。

 海外招待選手では前回優勝者で2時間04分48秒の出場選手中最高記録を持つイエマネ・ツェガエ(エチオピア)、12年ロンドン五輪、13年モスクワ世界選手権で連続金メダルを獲得したスティーブン・キプロティチ(ウガンダ)が出席した。

 優勝候補筆頭のツェガエは、今年8月のロンドン世界選手権は途中棄権に終わった。

 記者の質問には「カーブが多すぎるコースだったから、脚を痛めてしまった」と事情を話したが、現在は好調だとアピールする。

「トレーニングは順調で、日曜日のレースには自信を持っています。マラソンという種目は自信がなければできません。福岡でもう一度、優勝したい」

 キプロティチは10000mで26分台を持つビダン・カロキ(ケニア・DeNA)の参戦を質問されると、柔和な表情ではあったが、きっぱりと言い切った。

「カロキ選手がトラックで速いのは知っていますが、マラソンは別の種目です。マラソンに勝つには強い意思が必要で、スピードがある選手が相手だからどうする、というものではありません。特別な対策を持つことはありませんが、カロキ選手には『マラソンへ、ようこそ』と言いたいですね」

 カロキは飛行機が遅れたため、2人とは別時間に会見した。今年4月のロンドンが初マラソンで、2時間07分41秒で3位に入った。

「ロンドンではハーフの通過が1時間1分台でした。今回、3分0秒ペースなら楽に走ることができます。30kmまで3分0秒ペースで、後半上げられたらいい。ロンドン・マラソンの記録よりも行きたいです」

 国近友昭監督は、2時間5分台も可能だというが、自身も勝ったことがある福岡で優勝することを、一番の目標としてほしいという。

キプロティチと握手する大迫。国内では初となるマラソンでどんなレースを見せるのか注目だ(写真/寺田辰朗)

佐々木、川内、大迫、設楽、神野…
ベテランから若手まで有力選手がズラリ

 日本選手では佐々木悟(旭化成)、川内優輝(埼玉県庁)、深津卓也(旭化成)、大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)、園田隼(黒崎播磨)の5人が出席した。

 佐々木が一昨年の福岡、昨年のリオ五輪、今年のびわ湖と、日本人トップを3大会続け、安定した強さでは現在の日本人で一番と言われている。「しっかりと準備をしてきましたが、レース前は順位は気にしないことにしています。タイムは自己記録(2時間08分56秒=15年福岡)を更新したい」と、落ち着いた口調ながら、強い意思を感じさせた。

 マラソン76レース目となる川内は、今年の世界選手権(9位)を最後に、代表からは身を引くと決めている。MGCの出場資格より、福岡自体で結果を出すことが目的だ。

「3位以内に入って、表彰台に乗ることが目標です。これまでも2時間7分台とか、記録を目標とすると良くないことが多い。しっかり勝負をすれば、タイムもついてくる」と、順位に対してこだわりを見せた。福岡では20~25kmで集団から離れてしまい、終盤で盛り返すレースが多いが「30kmまで先頭集団に残れば、目標の3位も行けると思います」と、序盤から中盤の展開をレースのカギに挙げた。

 11月23日の九州実業団駅伝で快走した深津は、マラソン練習もかなりのレベルでできている、という情報もある。「2時間09分31秒の自己記録(昨年のびわ湖)を更新する練習は積むことができました。日本人だけでなく、総合でも上位に行くのが目標。練習ができているので、自分に期待しながら走りたい」と自信をのぞかせた。

 初マラソンだった4月のボストンで3位、2時間10分28秒で走っている大迫「(福岡出場は)ボストンが終わってすぐに、次は日本でとコーチとも話し合いました。2020年東京が目標ですから、日本独特の緊張感を味わっておきたかった」と、大きな目標は口にしない。しかし「ボルダーで良いトレーニングが積めています。自己新を出して、先頭争いに絡めたらいいな、と思っています」と、このレースに向けた取り組みには自信をのぞかせている。

 園田は前回の福岡で、川内に次いで日本人2位。びわ湖でも日本人4位で、タイムは2時間10分40秒と2時間11分32秒。代表も望めるポジションまで力をつけてきた。「タイムよりも順位を狙っています。順位を狙えばタイムもついてくる。前へ前へと行きたい」と意気込む。黒崎播磨の澁谷明憲監督によれば、夏の練習で例年以上に追い込み、10月以降は去年よりも速いタイムや、余裕を持った状態で練習ができている。ダークホースとして注目すべき選手だろう。

 招待選手のあとに一般参加の佐藤悠基(日清食品グループ)、神野大地(コニカミノルタ)、設楽啓太(日立電線)の3人もカコミ取材に応じた。

 トラックでは五輪&世界選手権に何度も出ている佐藤は、マラソンは過去4回走って2時間12分14秒がベスト。15年ベルリン、16年ロンドンとここ2レースは海外だったが、今年は福岡に焦点を合わせてきた。「夏以降はずっと、福岡に向けて準備をしてきました。直前にアクシデントもありましたが(東日本実業団駅伝でふくらはぎを痛めた)、それを言い訳にしないように、現状のベストパフォーマンスを出したい」

 神野と設楽は初マラソン。

 神野は「2時間08分59秒が目標。(準備段階で)良いことも悪いこともありましたが、東京オリンピックにつながるMGCの資格は確実に取りたい」と、力強くコメント。

 設楽は「2時間10分切りが目標。先頭集団について、インパクトのあるレースをしたい」と、こちらも初マラソンながら高い目標を掲げた。

 福岡にこれだけ多数の有力選手が集まるのは、近年では珍しい。12月3日12:10に、平和台陸上競技場をスタートする。

(文/寺田辰朗)

 

This article is a sponsored article by
''.