箱根駅伝を控えた冬の10000m競技会で好走した選手は、本戦で活躍できるのか。今回の該当者は11月に日本人学生歴代4位をマークした塩尻和也(順大3年)。過去のデータを基に占ってみる。

国内での記録は価値が違う

 11月25日、八王子ロングディスタンス10000mで、塩尻和也(順大3年)が日本人学生歴代4位となる27分47秒87をマークした。2016年リオ五輪3000mSC代表の塩尻は、箱根駅伝ではエース区間である2区を2年連続任されており(1年時区間5位、2年時区間5位)、3年連続の2区出走が有力視されている。

 この記録を高く評価するのが、山梨学大の上田誠仁監督だ。今回の箱根駅伝の選手エントリーが行われた12月10日、前回の上位5校の指揮官による『監督トークバトル』にて、進行役を務めた上田監督は「これまでの記録はすべて国外の競技会でした。レースを引っ張る選手が少なく、自分が流れをつくらざるを得ない国内の競技会でのものだけに価値が違います」と称えている。

 これまでの日本人学生10000m歴代記録をひも解くと……
1位 大迫 傑(早大4年) 27分38秒31(2013年・ペイトン・ジョーダン招待/アメリカ)
2位 鎧坂哲哉(明大4年) 27分44秒30(2011年・UKトライアル/イギリス)
3位 竹澤健介(早大3年) 27分45秒59(2007年・カージナル招待/アメリカ)
※学年は当時

 塩尻のタイムは日本人学生選手による国内での10000m最速記録となるわけだ。

 監督トークバトルでは、各校の監督から注目選手として塩尻の名が挙げられており、早くも前回の2区区間賞に輝いた鈴木健吾(神奈川大4年)との勝負に注目が集まっている。

 そこでふと、ある疑問が生じた。

 それは、塩尻のように箱根直前に行われた10000m競技会トップの選手は、本戦でどれだけ活躍できたのだろうか、というもの。そこで過去10年間の記録(表1)を基に、相関性を探ってみた。

10000mトップの選手は箱根でも活躍!?

 表1は当該年の11月1日から12月10日までの期間における、10000mランキング・トップ選手を集計したものになる(日本人選手のみを対象)。その記録が当時の自己ベスト(PB)の場合、★印で示した。

 前回の田村和希(当時・青学大3年)は15km過ぎに脱水症状を起こしたこともあり、7区区間11位に甘んじたのを除けば、直近5大会ではいずれの選手も区間5位以内に入っている。2009年の長谷川裕介(当時・上武大3年)は12月に入って足首を負傷しており、本戦の区間19位という結果は割り引いて考えるべきだろう。

 今回の塩尻を含め、ほとんどの選手が10000mの自己ベストを更新していたことからも、大会直前の好調を本戦までうまくつなげていることを示している。

 塩尻の記録は今シーズン(2017年4月1日~12月10日)の10000m日本人学生最高でもあるが、参考までに過去10年のシーズンベスト記録を集計してみた(表2参照)。やはり、表1の選手たちと同様、本戦で好走しているのが分かるだろう。

 トラックの10000mと箱根の20km超はまったくの別物という声をよく聞く。それでも過去のデータは、本戦での活躍を裏付ける一つの指標になりそうだ。もちろん、区間、レース展開、気象条件、選手のコンディションといった要素を無視しているのは承知の上だが。

 前述の通り、過去2大会における塩尻の個人成績は2年連続2区5位。直近の10000mの結果に関わらず、区間賞争いに絡むはずだが、このような観点から塩尻の走りに注目しても面白いだろう。

文/石井 亮

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