伸び盛りのドリブラー

「小柄だけど、タメをつくれるし、球を取られないんですよ。ドリブルに切れがあるし、左足キックの精度もいい。面白いと思いますね」
昨季まで現役だったG大阪の中澤聡太スカウトは、公称160センチの小さな「金の卵」を目の前にして声を弾ませた。

総理大臣杯で見せた2年生、紺野の働きぶりは出色だった。鋭いドリブルがさえわたり、右サイドからのカットインでゴールに迫った。
「高校時代からずっとメッシの動画を見て参考にしている」
相手の重心を見ながら逆を突き、足が出てきたところを一瞬でかわす。大柄なマーカーも手玉に取った。相手のマーカーが1枚から2枚に増えても、苦にすることはなく、果敢にチャレンジ。「警戒してもらえるのは光栄なこと。むしろ、よっしゃと思った」とうれしそうだった。

相手を置き去りにする加速力には日々、磨きをかけている。週2、3回は自主的にスピードトレーニングに励み、「10メートルの距離なら誰にも負けない」と胸を張る。オフの日も動画サイトで練習メニューを探し、工夫しながら走り続けているという。総理大臣杯でも、その速さは際立った。

2年生になって成長を実感しており、真剣にプロを見据えるようになった。Jクラブとの練習試合でも持ち味を発揮し、十分な手応えを得ていた。大宮アルディージャ、ジェフユナイテッド千葉からは「ゴールも決めることができた」とにんまり。

武南高時代はインターハイ、高校選手権に一度も出場できず、全国の舞台には縁遠かった。身長は150センチ台で脚光を浴びる存在ではなかったが、昔から紺野を知るスカウトもいる。
「“武南のメッシ”と言われていたし、存在は知っているよ。当時に比べると、運動量が増し、守備面も成長している」と総理大臣杯の活躍を褒めていた。

法政大では長山一也監督からハードワークの重要性を口酸っぱく説かれ、高校時代に全くできなかったという守備でも働けるようになった。
「カズさん(監督)は僕自身が気が付かないことを指摘してくれる。意見を素直に受け止め、改善しようと思う」

伸びしろは十分。159センチで入学したレフティーは、いま2センチ伸びて、161センチ(自称)になった。体重も筋トレ効果で6キロ増量した。

「あと4センチはほしい」

20歳の屈託ない笑顔を見ていると、身長も伸びるかもしれない――。

 
文◎杉園昌之
 

紺野和也 [法政大2年/MF]
こんの・かずや/1997年7月11日生まれ。埼玉県・武南高出身。160㎝、50kg(登録データ)。現在は161㎝、56kg(本人談)

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