2017年の競泳シーンを振り返ると、「大橋に始まり大橋で締めた一年」と言っても過言ではないくらい、今年、大橋悠依は大きく飛躍した。

 最初のブレークは4月の日本選手権。400m個人メドレーで自己ベストを3秒93、それまでの日本記録を3秒24も上回り、リオ五輪の3位相当である4分31秒42の飛躍的な日本新をマークしたのだ。

 その日本選手権で200、400m個人メドレーの代表権を獲得し、初めて臨んだ世界の舞台は7月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)。今シーズン最大のこの大会で、今度は200m個人メドレーで銀メダルを獲得。世界にその名を知らしめた。

「最後のクロールはがむしゃらに泳いだ。いい位置にいるとは思っていたが、タッチして、順位と記録にびっくりした」と、表彰式ではさわやかな笑顔を見せた。

 この3週間後、チャイニーズタイペイで行なわれたユニバーシアード大会では、記録こそ世界選手権に届かなかったものの、400m個人メドレーと併せて2冠を獲得。連戦での好結果に、安定した力も備えていることを示してみせた。

2017年の飛躍を2018年シーズンへ

 現在は、所属する東洋大に戻り強化合宿の真っ最中だ。その前には、日本水泳連盟のナショナルチームの一員として、11月27日から12月23日の日程で行なわれた欧州遠征に参加。前半の3週間はスペインでの高地トレーニング、その後、スイスで短水路の大会(ローザンヌカップ)に出場し強化を図ってきた。そのローザンヌカップでは400m個人メドレーの短水路日本新を樹立。大会に向けた調整はほぼ行なわない中での好記録に、高地トレーニングでの充実が見てとれた。それでも平井伯昌コーチは「この記録は最低ラインと考えていたもので、あと2秒くらい速いタイムを出させたかった」と語り、2018年の長水路シーズンを見すえた目標設定の高さをうかがわせた。

 大橋にとって、真価が問われる新年が間もなく明ける。毎年、安定した結果を残すことは容易ではなく、これまで、多くのトップスイマーが悩まされてきたのも事実だ。だからこそ、今年の飛躍がフロックではないことを証明しなければならない。それは「周囲に」ではなく、自分自身の自信に変えるために――。

 11月、本格始動して間もない時期に出場した東京SC招待大会では、4泳法すべての200m種目に出場し、強化を図った。各種目の200m種目を充実させることが、400m個人メドレーのパフォーマンス向上につながると考えてのことだという。

「世界選手権の400m個人メドレーで(金、銀)メダルを獲った選手はほかの種目でも優勝していて、単体種目でも上位に入る力がないと400m個人メドレーでは勝負できないと感じた。だから、まずは200m自由形でのフリーリレー代表を目指し、ゆくゆくは200m背泳ぎで個人種目の代表になれるくらいの力をつけていきたい」

 実は、冒頭に触れた7月の世界選手権では、200m個人メドレーのみのメダル獲得にとどまり、400m個人メドレーでは4位に終わっていた。4月の日本選手権の記録で泳いでいれば、もうひとつ、銀メダルが獲れていたレースだった。この経験は、大舞台で両種目併せて結果を残すことの難しさを知ると同時に、こと400m個人メドレーに関しては、そうとうな地力を携えていなければ、どんな状況においても安定した記録で泳ぐことはできないということを痛感したのだという。

 だからこそ、2018年シーズンに期する思いは強い。来年の国際大会は、8月にパンパシフィック選手権(米国、豪州、カナダなどが集う環太平洋諸国の大会)、そしてその1週間後にアジア大会がジャカルタにて行なわれる。200mも400mも、パンパシフィック選手権もアジア大会も――。すべてにおいて安定した結果を残すことができたその先に、2019年の世界選手権、2020年オリンピックの光が見えてくる。

文◎桜間晶子

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