■第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会決勝
C大阪 2-1 横浜FM
得点:(C)山村(65分)、水沼(95分)
   (横)伊藤(8分)

八面六臂の活躍だった。エースストライカーの杉本がケガで欠場するなか、山村は2トップの一角として役割をきっちり果たした。

1点を追う65分、ペナルティーエリア内のこぼれ球を見逃さず、冷静に右足を振り抜く。

「いいところにボールが転がってきた。フリーだったので、枠にしっかり飛ばすことを考えた」

満足そうに同点ゴールを振り返った。準決勝の神戸戦ではまともにシュートを打てなかった。チームは逆転勝ちしたものの、FWとしての仕事ができずに不満が残った。それだけに決勝でのゴールは喜びもひとしお。「点を取れて良かった」という言葉にも実感がこもっていた。

2017年シーズン、尹晶煥監督にCBからコンバートされ、FWとしては「1年目」。それでも、ポジションの不慣れさを感じさせない働きぶりでチームに貢献。リーグ戦では27試合に出場し、8ゴールをマーク。「前線でこんなに試合に絡むとは思わなかった」と本人も驚くほどだ。

この日の決勝では勝ち越しゴールも演出。1-1で迎えた延長95分、左サイドに流れてボールを受けると、相手守備陣の空いているスペースを見つけ、勝利を呼び込むクロスを供給する。

「ファーサイドに流れたリカ(リカルド・サントス)と(水沼)宏太が見えていたので、そこに蹴った」

1ゴール1アシスト。FWとして文句なしの結果。それでも、山村の仕事はまだ終わらなかった。1点をリードすると、尹晶煥監督からすぐに指示が飛んだ。CBに下がり、3バックの一角へ。延長後半は、相手に押し込まれる時間が続いたものの、クロスをはね返し、相手シュートもブロック。本職の力を遺憾なく発揮した。試合途中のポジション変更も慣れたもの。難しいタスクをやり遂げても「いつものことなので」と涼しい顔だった。

ルヴァン杯の決勝では守備固め要員として、逃げ切り勝利に貢献。天皇杯決勝の舞台では一人二役をこなし、前身のヤンマー時代以来、43年ぶりとなる大会制覇の立役者になった。C大阪で2つ目となるメダルに目を落とすと、「優勝って、書いてあるものはいいですね。もらえると、うれしい」と笑みをこぼした。

元日にクラブ史上初の2冠を達成。「1年のいいスタートを切れた」。働き者の28歳は、充実感たっぷりの顔で語り、つかの間の正月休みに入った。天皇杯王者となったチームは2月10日、富士ゼロックススーパーカップの川崎F戦から新たなシーズンを始めることになる――。


文◎杉園昌之 写真◎小山真司

画像: 山村の活躍もあり、C大阪はルヴァンカップに続き、天皇杯にも優勝。クラブ史上初めてカップ2冠を達成した

山村の活躍もあり、C大阪はルヴァンカップに続き、天皇杯にも優勝。クラブ史上初めてカップ2冠を達成した

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