進路と視野が広がる決勝ゴール

前橋育英の2年生FW榎本樹がチームを悲願の初優勝に導いた。

0-0のまま迎えた後半アディショナルタイム、飯島陸のシュートは相手選手のブロックに遭うが、ボールは榎本の目の前にこぼれる。無我夢中で右足を振り抜き、値千金の先制点を奪うと、一目散に応援スタンドへと走った。「試合に出られない3年生のためにも、自分がゴールを決めないといけないと思っていた」。

そして、間もなく試合終了のホイッスルが吹かれ、前橋育英の初優勝が決定。「3年生にいろいろと迷惑をかけてきたので、ゴールという形で恩返しができた」。殊勲のヒーローは、人生初のうれし涙を流した。

身長184センチの大型フォワードとして期待されてきたが、昨夏のインターハイ前に朝寝坊で練習に遅刻。その後1週間はチーム練習には参加できず、練習グラウンドの草むしりを行ないながらメンバー落ちも覚悟したという。だが、インターハイ本大会で名誉挽回のチャンスを与えられると、期待に応えてゴールを量産。5得点を挙げて得点王に輝き、山田耕介監督やチームメイトの信頼を取り戻した。

今大会では2トップを組む飯島の活躍の陰に隠れ、ゴールは準々決勝の米子北戦での1得点のみだったが、最後の最後に大仕事を成し遂げた。

「これだけ注目される試合でゴールを決められたので、進路とか、視野が広がると思う」と、この日のゴールの意味を語った榎本だが、まだ2年生。「来年も絶対に優勝したい」と意気込みつつ、「今度は自分が最高学年になるので、私生活とかでも見本にならないといけない」と人間としての成長も誓った。

文◎多賀祐輔 写真◎Getty Images

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