戦力をムダにしないため
最後の瞬間まで成長を見守る

 第90回記念選抜高校野球大会に出場することが決まった東筑。2017年夏に続けての聖地となる。1898年創立と歴史が深く、旧帝大や難関私立大へ多くの生徒が進む普通科のみの公立進学校。野球部は1900年の創部で、これまでに春2度、夏6度、甲子園に出場してきた。78年の3回戦進出が最高成績だ。

 夏春連続出場の原動力は、夏も経験している石田旭昇と北村謙介のバッテリー。石田はサイドスローから130キロ中盤のストレートと変化球を低めに集めて打者を打ち取る。昨秋は福岡大会、九州大会を通じて9試合に登板し、完封3を含む、防御率1.52の安定感。フィールディングにも秀で、走者を出しても簡単には失点を許さない。

画像: 2年夏から不動のエースとなった石田だが、台頭したのは2年春と時間を要した

2年夏から不動のエースとなった石田だが、台頭したのは2年春と時間を要した

 また、二番手投手には林大毅が成長。故障もあり、昨夏までは登板していなかったが、秋季大会前には「石田を上回る可能性もある」と青野浩彦監督を期待させていた。初の公式戦登板となった福岡大会決勝では、筑陽学園を1失点完投。「石田と林、2人を使えるメドが立ったのは大きい」。思わぬところから戦力が現れるのが、東筑の強みだ。

 そもそも、昨夏の福岡大会7試合を投げ抜いた石田にしても、公式戦初登板は2年春の福岡大会。初めて背番号1を着けたのは、5月下旬の招待試合のことだった。日大三(東京)とのその試合で2対0と完封したことが信頼を得るきっかけとなった。

 ハイレベルな選手がそろうわけではない公立校を指導するに当たり、青野監督は「技術が足りないからと切り捨てるのではなく、手を差し伸べて野球を教えていって、楽しくプレーできるようになってもらえれば」と考えている。それが持っている戦力を最大限に生かすことにつながるからだ。

 中学時代に軟式球でプレーしていた石田が頭角を現すのが遅れたのは、ボールへの対応に時間を要したことが理由の一つ。昨夏の甲子園でリリーフ登板した升田由太郎も成長痛などに苦しんだこともあり、3年春からマウンドに上がれるようになった選手だった。

「最後まで見定めるためにも、いつもフラットな視線を持っていなければ埋もれてしまう選手が出てしまう。最後の試合まで選手の可能性を信じて見守ることを念頭に置いている」

画像: グラウンドで選手の特徴や状態の把握に努め、試合での采配に生かす青野監督

グラウンドで選手の特徴や状態の把握に努め、試合での采配に生かす青野監督

 そう語る青野監督が努めていることが、練習には選手の誰よりも早くグラウンドに出て、選手の様子に目を配ること。そうして選手の特徴や状態を把握し、試合での選手起用や采配につなげている。

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