現在の日本における競泳の注目種目は、萩野公介(ブリヂストン)と瀬戸大也(ANA)が争う男子個人メドレー、そして昨季、大きく飛躍を遂げた、小関也朱篤(ミキハウス)と渡辺一平(早稲田大)が牽引する男子平泳ぎ、大橋悠依(東洋大)が軸となる女子個人メドレー、さらに若手の注目株である池江璃花子(ルネサンス亀戸)が出場する女子自由形とバタフライ、などが挙げられるだろうか。

 しかし、勝負においても、そして記録面でも、今季、楽しみな種目がある。それは男子自由形短距離だ。男子自由形短距離のうち、特に100m自由形は競泳の花形種目で、オリンピックでのこの種目を制した者は競泳界のヒーローとなり、一目置かれる存在になる。日本はまだ世界大会(オリンピックと世界選手権)において決勝に残ることができないのが現状ではあるが、2019年の世界選手権、そして2020年の東京五輪でそれが叶うかもしれないという、光が見え始めている。

 中心となるのは、2017年の日本ランキング1位である中村克と2位の塩浦慎理。同じイトマン東進の所属ではあるが、担当コーチも違えば練習拠点も異り、それぞれのアプローチで2018年シーズンの飛躍を目指している。

 塩浦が中村より2学年上。当初は塩浦がトップを張っていたこの種目に、中村が追いつく形で、近年は2強としてつばぜり合いを繰り広げてきた。

 現在は、4月の日本選手権に向け、鍛錬をまじえながら大会出場でレース勘も養っていく時期。この取り組みにおいても、国内をベースに大会出場を行なっている中村に対し、塩浦は海外の大会を軸に調整に励んでいる。

画像: 良い好敵手としてハイレベルな争いを繰り広げる塩浦(左)と中村。両者とも4月に向け、順調にトレーニングを積んでいる(写真は2017年日本選手権時)

良い好敵手としてハイレベルな争いを繰り広げる塩浦(左)と中村。両者とも4月に向け、順調にトレーニングを積んでいる(写真は2017年日本選手権時)

 2月11日、山口県で行なわれた長水路の大会(きららカップ)で中村が50m自由形で21秒87の日本新記録をマークした。これは、塩浦が保持していた記録を100分の1秒更新するもので、これで中村は、2016年にマークした100m自由形の日本記録(47秒99)と併せ2種目での日本記録保持者となった。しかし、それがそのまま、4月の日本選手権の勝利につながるかといえば、そうではないところが競泳の難しいところであり、おもしろいところだ。

 新たなコーチとの二人三脚が軌道に乗り始めた中村の勢いは、記録という形で十分に伝わってくる。一方の塩浦は、中村ほどの好記録で泳いでいるわけではないが、決して条件が良いとは言えない海外での記録ということを鑑みると、引けを取らない内容でもある。

 そんな両者が激突する4月の日本選手権はもちろん楽しみだが、決戦前の「手合わせ」ともいうべき大会が今週末に行なわれる(2月17~18日/コナミオープン)。両者の泳ぎに注目だ。

文◎桜間晶子

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