米プロフットボールNFLは現地12月7日・月曜日に第13週の2試合を行った。新型コロナウィルス感染症の影響で、前週の試合が水曜日になったため、エキストラのマンデーナイトゲームとなったピッツバーグ・スティーラーズ対ワシントン・フットボールチームは、23-17でワシントンがスティーラーズに逆転勝ちした。スティーラーズの開幕からの連勝は11で止まった。正規のマンデーナイトゲーム、サンフランシスコ・49ナース対バッファロー・ビルズは、ビルズが34-24で49ナースを破った。
ワシントン・フットボールチーム●23-17○ピッツバーグ・スティーラーズ
(2020年12月7日、ピッツバーグ・ハインツフィールド)
ワシントンが第4クオーターの逆転で、スティーラーズをストップした。
前半はスティーラーズのペース。第2クオーター、QBベン・ロスリスバーガーが2本のタッチダウン(TD)パスを決めて14-0とリードした。ワシントンは、前半終了間際、Kダスティン・ホプキンスのフィールドゴールで3-14として後半へ折り返した。
第3クオーター、ワシントンはRBペイトン・バーバーの1ヤードTDランで追い上げた。スティーラーズは第4クオーター冒頭にKマシュー・ライトのFGで7点差とするが、ワシントンはQBアレックス・スミスからTEローガン・トーマスにTDパスが決まって同点とした。
ワシントンは第4クオーター12分に、ホプキンスのFGで逆転すると、次のスティーラーズのオフェンスシリーズで、QBロスリスバーガーのパスをインターセプト。ホプキンスが残り17秒でFGを決め、とどめを刺した。
ワシントンは5勝7敗でNFC東地区首位タイ。スティーラーズは11勝1敗で、AFC北地区首位は変わらないが、プレーオフの1回戦バイを争うカンザスシティ・チーフスと相星となった。
長身を生かして、スティーラーズDBサットンに競り勝ってパスをキャッチするワシントンTEトーマス=photo bay Getty Images
◇トピックス
・スティーラーズの連勝は11で止まったが、勝った場合は、開幕からの連勝としては、2015年のカロライナ・パンサーズ(開幕から14連勝)以来だった。その時のパンサーズのヘッドコーチ(HC)は、現ワシントンのロン・リベラHCだった。
・2006年シーズンが終わった後、スティーラーズは当時のビル・カウワーHCが勇退。その後継者として争ったのが、現在のマイク・トムリンHCとリベラだった。
・スティーラーズが本拠地・ハインツフィールドで14点以上リードした試合は、過去80試合で78勝1敗1分けだった。
貴重なFGもたらしたQBスミスの“頭脳プレー”
<追記>
NFLの審判歴20年で、現在はNBCのサンデーナイトフットボールのルール担当解説員を務めるテリー・マックオーリーさんは自身のツイッターアカウントに次のように投稿した。
「WASvsPITの前半終了時についての私の見解。両チームは、最後の数秒のFGの状況では、審判は前のプレーのボールを使用することを知っている。スミスがフィールドからボールをフィールド外に持ち出したとき、別のボールを入れるのが遅れた責任はWASにある」
「アンパイアはプレーの最後にボールを求めていた。彼はその後、彼はサイドラインから新しいボールを取得しようとして残り8秒で時計を停止した。それをすべきではなかった。WASが遅延を引き起こしたのであり、(WASが)そこから利益を得るべきではなかった」
11連勝中のスティーラーズを破り、両手を広げて喜ぶワシントンのDEヤング=photo bay Getty Images
スティーラーズ、パス偏重オフェンスに課題
スティーラーズは連勝が止まった。
オフェンスは、パス305ヤードでランは21ヤード、プレー選択ではパス53回に対し、ラン14回。ファーストダウン更新数ではパス13回に対しランは1回と、偏重ぶりが際立った。
パスは300ヤードを超えたが、後半は苦戦し、TDが奪えなかったスティーラーズQBロスリスバーガー=photo bay Getty Images
この試合では、ロスリスバーガーのショートパスをランの代わりにして進むオフェンスを、ワシントンディフェンスに見切られた。レシーバー陣が、アンダーニースでパスを捕球しても、ワシントンのLBやDBがすぐさまタックル、ランアフターキャッチを防がれ、試合後半の苦戦につながった。
象徴的だったのは第2クオーターのオフェンスだ。ゴール前1ヤードでファーストダウンとなりながら、4回の攻撃(ラン3回、パス1回)で、その1ヤードを取り切れない。しかしその後、ゴールまで50ヤードからのオフェンスでは、最初のプレーで、QBロスリスバーガーがWRジェームズ・ワシントンにあっさりTDパスを決めた。一発の力はあるが、安定的なオフェンスとは言えない。
最初の6試合は778ヤードだったチームラン成績は、直近の6試合では333ヤードと急降下している。
残り4試合で、ビルズ(9勝3敗)、インディアナポリス・コルツ(8勝4敗)、クリーブランド・ブラウンズ(9勝3敗)と、プレーオフを狙う強豪との対戦があるスティーラーズ。寒さが厳しくなる時期だけに、ランオフェンスの再構築が必要となってきた。
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