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2021-06-20

【ボクシング】“和製パッキャオ”福永が明日登場。“変則”藤井は金星狙う

168cmの福永(左)と162cmの藤井。この差をどう生かすか殺すか

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 明日21日、東京・後楽園ホールで開催のWBOアジアパシフィック&日本スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦で、雌雄を決するチャンピオン福永亮次(34歳=角海老宝石)と挑戦者WBO・AP5位、日本8位・藤井貴博(32歳=金子)の計量が20日に行われ、王者・福永がリミットちょうどの52.1kg、藤井が51.9kgでクリアした。

文_本間 暁 写真提供_角海老宝石ジム

 昨年12月の前戦で、日本王者・中川健太(三迫)を10回TKOに下し、空位の東洋太平洋王座も手に入れて“三冠王者”となった福永。IBF8位、WBOとWBCは14位にランクされるなど、世界を見据えてもよい位置につけている。サウスポースタイルというだけでなく、リズムの取り方、攻め込むタイミング、迫力などがあのスーパースター、マニー・パッキャオ(フィリピン)に似ていることもあって、「さらに上」を期待する声も強まっているが、「いまは目の前の試合のことしか考えられない」と、明日に向かうのみの心境だ。

福永も減量には苦労しないタイプ
福永も減量には苦労しないタイプ

 WBO・AP王座は2度目、日本王座は初防衛戦。対する藤井は日本ランクに入って2試合目で、下馬評では「福永優位」の声が圧倒的。だが、「格下だと、負けたらどうしようとか余計なことを考えてしまう。守る気持ちはさらさらない。いつものように、プレッシャーをかけていこうと思う」と、不安を一掃するような攻撃を見せつけるつもりだ。
 が、「KOはもちろん意識するけれど、それが強すぎると力みにつながるから」と、程よいバランスであることを強調した。

派手に髪を染めている藤井は、「暇なので」と大量の書籍を宿泊施設に持ち込んでいる
派手に髪を染めている藤井は、「暇なので」と大量の書籍を宿泊施設に持ち込んでいる

 これがタイトル初挑戦となる藤井もサウスポー。「タイトルとか、特別なことを意識すると力みや恐怖心につながるので、たまたまタイトルがかかってるくらいの気持ちで臨む」と、こちらもいつもどおりを心掛ける。通常体重が「55kgぐらい」という“ほぼノー減量”で、「試合にフォーカスすることができる」のが強み。そして、「福永選手に再現性が非常に近い選手」たちとスパーリングを重ねてきた。中には65kgの選手もおり、パワー対策も抜かりない。ただ、「対峙してみないとわからないが、福永選手はKO率が高いけれど、パンチが強いのかどうか。パンチが強くてもKOできない選手もいますから」と、“王者の距離”にその理由を見い出して対策を積んできたようだ。

 13勝(13KO)4敗。勝った試合はすべて規定ラウンド内に終わらせてきた福永には、否が応にもKO勝利の期待がのしかかる。挑戦者は12勝(3KO)6敗1分。1ポイントでも勝てば大金星。試合に臨む両者の心持ちは、大きく異なる。

 スパーよりも本番に強い、野性味あふれる王者が叩きのめすのか。それとも、「長丁場でつまらない試合になるので、みなさん寝ないように」と忠告する挑戦者か。

 ゴングは夜8時ごろ。前座開始は午後5時30分で、『BOXING RAISE』で全試合ライブ配信される。
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