アメリカンフットボールのXリーグ「X1エリア」は、9月26日、富士通スタジアム川崎で第3節の2試合を行い、アサヒビールシルバースター対警視庁イーグルスの一戦は、シルバースターがシャットアウトで開幕から3連勝した。警視庁は1勝1敗となった。
アサヒビールシルバースター○20-0●警視庁イーグルス(2021年9月26日、富士通スタジアム川崎)【得点経過】
シルバースター第1Q 6:08 K梅垣光理, 30ヤードFG
[3-0]
シルバースター第2Q 4:44 QB田中大輔→WR林 雄太, 28ヤードパスTD (梅垣キック成功)
[10-0]
シルバースター第3Q 8:39 RB岩田和樹, 7ヤードランTD (梅垣キック成功)
[17-0]
シルバースター第4Q 10:01 K梅垣, 43ヤードFG
[20-0]
シルバースター、3強対決の前に課題 ゲーム展開としては、シルバースターに危ない場面はなかった。
ディフェンスが、終始、警視庁オフェンスを抑え込んでいた。前節のペンタオーシャンパイレーツ戦で156ヤードを記録した警視庁のランを58ヤードに抑え、ランによるファーストダウン更新は1回しか許さなかった。
元々、クイックなパスオフェンスは得意ではない警視庁がパスに活路を求めるしかない状態に仕向けた。そこでは2年目の月性慶大、並木琢朗、ルーキーの佐藤駿らフレッシュなDL陣が激しくパスラッシュ、4サックでQBを追い込んで、3インターセプト(INT)を産み出した。
警視庁の見せ場は、第3Q1分、意表を突いた3rdダウンでのクイックパント。リターナーがいない状況でシルバースター陣の14ヤードまで挽回。さらにパスINTから攻め込んだ。警視庁が唯一、レッドゾーンに侵入したチャンスだったが、フィールドゴール(FG)は失敗した。
それでも、試合後、シルバースターの有馬隼人ヘッドコーチ(HC)に笑顔はなかった。シルバースターのオフェンスが低調だったからだ。警視庁ディフェンスがソリッドで強いのは確かだが、2試合で359ヤードを記録したランが、72ヤードに抑え込まれた。
そのうち、30ヤードはQB田中のキーププレーだ。RBのランは岩田の11ヤードが最高という状態で、本来はTEの谷田淳をRB起用するやりくりだった。
理由はある。2試合で188ヤードを走り、第2節終了時点でX1エリアのリーディングラッシャーだったRB川村洋志が、仕事の都合で、この試合は不在だった。
負傷なども考えれば、こういう状況は今後もあり得る。確かに川村は今季目を見張る活躍をしてきたが、1人の選手がいなくなっただけで、パフォーマンスが落ちるのは大きな課題だ。
QB田中にも課題が残った。思い切りのいいパスは魅力で、この日もエースWR林に、28ヤードのTDパスをヒットした。ただ、3年のブランクがあるとはいえ、3試合連続の5INT。しかも田中のINTには同じ傾向がある。5本中4本が、ドライブの最初、1st&10で投げたパスを奪われている。この日喫した2INTも同じだった。
オフェンスシリーズの中で、QBとしてディフェンスとの駆け引きを重ね、3rd&ロングのシチュエーションなどでINTされるのであればやむを得ない面もある。サイドラインからフィールドに出てきて最初のパスをINTされる原因は、きちんと探って、潰しておく必要がある。
次節は宿敵・ディアーズと対戦する。第3節まで全勝の「エリア3強」ディアーズ、アサヒ飲料、シルバースターはお互いに2試合ずつ対戦があり、ここで2敗したチームは、X1スーパーに昇格できない可能性が出てくる。
シルバースターにとっても、勝負の2週間が始まっている。