アメリカンフットボールの関東大学1部BIG8は、12月1、2日に最終第7節を迎えた。1日は東京学芸大学が24-10で専修大学を、東海大学が7-3で駒澤大学を破った。2日は国士舘大学が27-24で東京大学を、桜美林大学が20-10で横浜国立大学を破った。すでに東大が優勝とTOP8昇格を決めており、桜美林大が、TOP8最下位校(日体大)と対戦するチャレンジマッチ出場を決めた。
【桜美林 vs 横浜国大】第2Q、TDとなったパスの軌道に視線を送る桜美林QB亀山。185センチ89キロとサイズに恵まれ強肩で脚力もある楽しみな素材だ=2018年12月2日 撮影Yosei Kozano
今季は1試合しかないチャレンジマッチ出場権を巡って、両校の火花が散った。第2クオーター(Q)終盤まで、お互いに敵陣まで攻め込みながら、オフェンスが決め手を欠いてタッチダウン(TD)を奪えず、フィールドゴールの応酬で、桜美林大が6-3とリードする展開。第2Q11分に桜美林大QB亀山一成が32ヤードのロングパスでTDを決め、10点リードで後半絵折り返した。
第3Q、桜美林大は、RB石田志門の51ヤードTDランで大きな追加点。対照的に、横浜国大は3回のオフェンスシリーズで、ホールディングの反則などもあってすべて3&アウトのパントに追い込まれた。第4Q,横浜国大はQB長田多矢がTDパスを決めて10-20とする。しかし、桜美林ディフェンスは、キャッチアップオフェンスの中で冷静にパスを狙い、DB荒木隆之介が2本のインターセプトで、横浜国大の反撃を断ち切った。
【桜美林 vs 横浜国大】第3Q、桜美林大RB石田が51ヤードを走ってTDを決め、ガッツポーズ=2018年12月2日 撮影Yosei Kozano
試合後のハドルで、桜美林大の関口順久ヘッドコーチの檄が選手たちに飛んだ。「今のままでは、(チャレンジマッチの相手)日体大には、絶対勝てない。もう、これから1ミリもスキをつくるな。練習でも、ウェートでも、ミーティングでも」。
第3Qまで、デイフェンスは横浜国大オフェンスを100ヤード、3点に抑えていた。17点リードの第4Q冒頭にはランでファーストダウンを重ねながら横国大エンドゾーン目前まで迫り、TDを挙げればほぼ勝利が確実となる場面を迎えた。そこでQB亀山が右に動いてパスを投げるプレーで、タックルされ痛恨のファンブル、ボールを失う。このドライブをTDされ勝負が分からなくなった。
前節の東大戦でも、同じ様なゴール前オフェンスを攻めきれず敗れた。
関口HCは、ファンブルロストの場面は「実は、私も悪い部分があった」という。亀山は足を痛めていったんサイドラインに下がって、その後、再びオフェンスに戻っていた。「下がってフィールドの外から見ていて、あのパスなら決められると思ったのではないか。それで再び戻った際に、同じパスのコールが出たので、欲が出てしまったのだと思う」と話した。とはいえ、「ああいう場面でミスが出るのが、ウチの悪いところ」。それが、かってXリーグでアサヒビールシルバースターを率いたこともある関口HCには歯がゆい。
この試合、桜美林大はオフェンスのスターターの半数に下級生を起用した。OL・TEは3人が1,2年生だった。負傷などが理由ではなく、今の実力で判断した結果と関口HCは話す。能力は高くとも、ここぞというところで経験不足が出た面はある。
チャレンジマッチは2年連続出場となる。昨年は明治大学にTD1本の差で敗れた。その轍は踏みたくない。関口HCは「東大戦の敗戦から、2週間で成長できた部分もある。残り2週間でさらに成長して、必ず今年は勝つ」と強い口調で語った。
【写真・文:小座野容斉】
【桜美林 vs 横浜国大】試合終了後、「このままでは日体大に勝てない」と選手たちに檄を飛ばす関口HC=2018年12月2日 撮影Yosei Kozano
2部A・B両ブロックとの入れ替え戦には、国士館大、駒澤大、東京学芸大、専修大の4校が回ることになった。
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