日大、アサヒビールに力負け対外練習試合の第2戦

アメリカンフットボールの日本大学フェニックスが、11月24日、富士通スタジアム川崎で、社会人アメフットXリーグのアサヒビールシルバースターと練習試合で対戦、13-35で敗れた。関東学生アメリカンフットボール連盟から、2018年度の公式戦への出場停止処分を受けている日大は17日に、処分後最初の対外練習試合で社会人合同チームと戦っており、これが2ゲーム目だった。

　アサヒビール○35－13●日本大学（11月24日、富士通スタジアム川崎）

日大は、ディフェンスが前半からアサヒビールのオフェンスに力負けし、タッチダウン(TD)を積み重ねられた。第4クオーターに、QB沼田将吾がランとパスの2本のTDを返すにとどまった。

多くの人たちが手を差し伸べ

練習試合であって勝敗は度外視とはいうものの、日大の今の力が露呈する厳しい結果となった。1週間前の相手は、同じXリーグのチームとは言え、下位チーム。しかも合同チームとあって戦術も限定されたものだった。今回は単独チームのシルバースター相手に攻守ともに迫力不足のシーンが目についた。

シルバースターはXリーグ上位の「スーパー9」とはいえ、今季はスーパー9のチームには全敗。来季は下位の「X1エリア」所属が決まっている。この日の先発QBは、控えのオーストラリア人QBジャレッド・スティグマンで、今季の攻撃の主役RBジョナ・ホッジスも登場しなかった。そのシルバースターオフェンスに攻め込まれる場面が続いた。「まだ調整不足」ということで、この日も出場がなかった宮川泰介のポジションであるDEのパスラッシュが迫力を欠いた。

橋詰功監督は「個々の選手の力が、だいぶ差があった。絶対的な体力不足というか、皆さんが見ていても、大きな人と小さな人の戦いという感じになっていたのではないか。まだまだこれからやることがたくさんある」と話した。

良かったことは、「前半から圧倒されていたが(3TDで0-21)、選手たちがまだまだこれからと、最後まで頑張って、それが多少なりとも、後半の結果につながったこと」だという。

練習試合で公式の記録ではないが、反則は「ディレイ・オブ・ザ・ゲーム」１つだけだった点など、チームとしての取り組みが少しづつ形になっている部分もある。

この日の試合は、シルバースターの阿部敏彰監督からの申し入れで実現した。橋詰監督の就任後早い段階で「(シルバースターの)シーズンが終わったら練習試合を」と声掛けがあったという。シルバースターの選手たちは、花を持たせるようなことはせずに、本気で戦い、ヒットも強かった。

試合後は、両チームが一緒に記念撮影をするなど交流、シルバースターの選手からは「ウチに来いよ」と声も飛んだ。練習試合としては異例の場内放送もあって、試合展開が分かりやすく、観客席からも好評だったが、これも、「普段と同じようにやってほしい」という阿部監督のたっての要請で、急きょ実現したという。

晩秋の冷え込むスタンドで最後まで応援した多くのファンも含め、日大の再起を助けたいという人々が本当に数多くいるということを、実感した。

日大はこの後、年内にもう2～3試合練習試合をする予定で、関西への遠征もあるという。

【写真・取材：小座野容斉】