アメリカンフットボールのXリーグは、11月27日、最上位「X1 スーパー」最終節の3試合が、東西の2会場で開催され、日本選手権・ライスボウルに向けた準決勝最後の1枠は、IBMビッグブルーが勝ち取った。
富士通スタジアム川崎の第1試合、ノジマ相模原ライズ‐オール三菱ライオンズ戦はノジマ相模原が、第2試合、IBMビッグブルー‐東京ガスクリエイターズ戦はIBMが、それぞれ勝った。この結果、IBMが3勝3敗1分・勝ち点10、ノジマ相模原ライズが3勝4敗・勝ち点9、東京ガスクリエイターズが2勝5敗・勝ち点6となった。IBMの準決勝進出は3年ぶり6回目。
神戸市王子スタジアムのパナソニックインパルス‐エレコム神戸ファイニーズ戦は、パナソニックが大勝して、7戦全勝・勝ち点21で、エレコム神戸は1勝5敗1分・勝ち点4でシーズンを終えた。パナソニックは12月12日、ヤンマースタジアム長居の準決勝でIBMと対戦する。
パナソニックインパルス○52‐7●エレコム神戸ファイニーズ(2021年11月27日、神戸市王子スタジアム) パナソニックが層の厚さと底力の差を見せてエレコム神戸に圧勝した。
第1QにRB横田惇のラン、QBアンソニー・ローレンスのパスで続けてTDを奪うと、3回目のオフェンスシリーズからローレンスを引っ込めて、控えQBの石内卓也を出した。パナソニックは、ベテランDB辻篤志が2度のパントブロックを決める活躍。一方で、RB立川玄明がラン80ヤード2TD、WRブレナン翼がパスレシーブ42ヤード1TDと、オフェンスの将来を担う期待のルーキーも結果を残した。
序盤から大差をつけられたエレコム神戸は、QBコーディー・ソコールのパスによるキャッチアップとなり、オフェンスが単調に。第2Qに1TDを返すにとどまった。第1Qだけでラン32ヤードと好調だったエースRB白神有貴を生かせなかった。
IBMビッグブルー○34‐26●東京ガスクリエイターズ(2021年11月27日、富士通スタジアム川崎) IBMが点の取り合いを制した。序盤は両チームともオフェンスが決定力を欠いてフィールドゴール(FG)にとどまっていたが、IBMが第2Q5分にQB政本悠紀から、WRジェイソン・スミスへタッチダウン(TD)パスが決まってリードを広げた。しかし、東京ガスもRBに入ったDBショーン・ドレイパーのTDランで追い上げると、残半終了最後のプレーで、K朴容俊のFGで同点に追いついた。
IBMは後半、RB佐藤航生が活躍した。第3Qには、政本からのTDパスをキャッチしてリードを奪うと、第4Qには2本のTDランを決めた。第4Q4分からのオフェンスでは、スミスの好リターンで得た敵陣41ヤードからのファーストプレーで、28ヤードをゲインする鋭いランで一気にレッドゾーンへ侵入。試合を決める貴重なプレーとなった。
東京ガスは、QBエバンスがパスに加え、自らのキープでも100ヤード以上をゲイン。DBとしてプレーしながら、RBも務めたドレイパーの活躍もあって、何度もIBM陣に攻め込んだ。しかし日本人のレシーバー陣が決定的な場面で何度も落球。さらにエバンス自身もボールセキュリティーの甘さで3回ファンブルしたのが痛かった。
ノジマ相模原ライズ○40‐3●オール三菱ライオンズ(2021年11月27日、富士通スタジアム川崎) 2年前は敗れた相手に、ノジマ相模原が現時点での力の差を見せつけた。
第1QにQBカート・パランデックからTEダーニール・ジェンキンスにパスが通ると、ジェンキンスが196センチ116キロの巨体でオール三菱ディフェンスのタックルを跳ね飛ばして突進し、先制のTD。これを皮切りに、次々に得点を重ねた。
今季、リーグ屈指のRBに成長した吉田光輝がラン112ヤード2TDを記録した。
ディフェンスでも前半のオール三菱のドライブを4回連続でパントに追い込み、後半は5回連続でパスインターセプトに仕留めた。
オフェンスのトータルヤードはノジマ相模原が506、オール三菱が215で倍以上。ファーストダウンはノジマ相模原が24回でオール三菱は8回と3倍となった。