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2018-11-21

エースRB山口の復帰&独走で関学が立命撃破 =関西学生Div.1 最終節

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 アメリカンフットボールの関西学生Div.1最終節、関西学院大学と立命館大学の試合が、大阪府吹田市の万博記念競技場で行われ、関西学院大学が31-7で立命館大学に勝利した。これで、関西学院大学は6勝1分、立命館大学は6勝1敗となった。この結果により、関西学院大学は2年ぶり、56度目のリーグ優勝を決めた。

第1Qに52ヤードの独走を披露し、ベンチとスタンドを沸かせた関学大RB#34山口祐介(撮影:北川直樹)

関西学院大学31-7立命館大学@万博記念競技場<11月18日(日)>

 60戦目となった伝統の関立戦は、関学大が攻守ともに立命大を上回った。関学大は第1クオーター(Q)9分7秒、RB#34山口祐介が52ヤードの独走で、先制のタッチダウン(TD)。立命大は、QB#19荒木優也とRB#42立川玄明のランで攻め込み、フィールドゴール(FG)を狙ったが失敗。直後のシリーズでも関学大のQB#3奥野耕世が、WR#81阿部拓朗にTDパスを決め、14-0で前半を終えた。

関学大は、QB#3奥野耕世からWR#81阿部拓朗へのTDパスを決めてリードを広げた(撮影:北川直樹)

 第3Q、立命大は荒木からWR#82木村和喜へ35ヤードのロングパスが決まり、7点を返した。しかし、第4Q早々に関学はK#8安藤亘祐の35ヤードFGでリードを広げると、奥野からWR#83小田快人へのパス、RB#6渡邊大のランでTDを重ね、31-7で関学大の快勝となった。

 関学大は、QBに奥野のほか、主将の#10光藤航哉、#18西野航輝が出場してラン・パスで多彩な攻撃を仕掛けた。守備でも2インターセプトを奪った。立命大は、エースRBの立川がワイルドキャットフォーメーションからのランで、関学大の守備を崩しにかかったが、要所で抑えられて得点できず。オフェンスが見せ場を作ることができなかった。

関学大は、QB#3奥野耕世がメインQBとして攻撃を牽引。大一番で12回投9回成功、161ヤード2TD獲得と、高いパフォーマンスを発揮した(撮影:北川直樹)

エースの走りでモメンタムを掴んだ関学

 関学大は、第6節の関西大戦で辛くも引き分け、さらにエースRB・山口の出場が微妙と見られたため、下馬評は、立命大が優位だった。

 下級生時より、圧倒的な走力と、強靭な体力でチームを支えてきた山口だが、今季は第2節の神戸大戦で負傷。復帰となった関西大戦で再び怪我を負った。前日の17日に関西大が京大に敗れたため、関学大は、西日本代表トーナメントの出場条件となる2位以上が決まっており、大事を取って休ませるのではないかという見方もあったが、序盤から出場して活躍。チームの大黒柱としての存在感を存分に見せた。

山口のライン・オブ・スクリメージを抜けるスピードとカットバックの速さは健在だった(撮影:北川直樹)

 52ヤード独走タッチダウンは、鳥内監督が「あの先制点が大きかった」と語ったように、チームに大きな勢いを呼び込んだ。山口は「OLが完璧にブロックしてたので、最後の一人をかわすという最低限の仕事をしただけ」と謙虚に振り返りながら、「1枚目のRBとして、チームに勢いを持ってくるということができた」と話した。

立命大守備「最後の一人」をスティフアームでかわしてTDとした山口(撮影:北川直樹)

 強行とも思われた出場は、怪我で練習を満足にできない中での「ぶつけ本番」だったが、コーチの「いけるか?」という問いへの答えは自分の中で決まっていたという。

 攻撃の4TD1FGで、意外な大差となった試合。大村HCは「たまたま立命の守備がはまってついた点差、普段の練習や実力的にはまだまだ足りていない」と評価されたといい、山口には慢心はない。ただ、4年生はともかく、立命大の本当の怖さを知らない下級生が、これで舞い上がってしまうのではないか心配という。

 横浜栄高校時代から、絶対的な存在としてチームを引っ張ってきた山口は、関学大でエースとなってからも「自分が出られるか、走れるかで勝負が決まる」戦いがあると強く自覚している。負傷上がりのこの日は、不安が0ではなかった。だが、12月2日の西日本代表校決定戦は「100%でやれる」と、この日以上の走りを誓った。

先制TD後に、WR#81阿部拓朗に祝福される山口。阿部はこの後、2本目のTDパスをレシーブした(撮影:北川直樹)

試合後の山口の表情は、次の戦いを見据えて引き締まっていた(撮影:北川直樹)

山口が負傷欠場している間、関学大攻撃を支えてきた#6渡邊大も第4QにTDを奪う活躍を見せた(撮影:北川直樹)

RB立川がQBの位置に入るワイルドキャットフォーメーションで攻める立命大。#42は立川玄明(撮影:北川直樹)

関学大は、守備でもここぞという場面でしっかりと立命大を抑えた(撮影:北川直樹)

「練習では仕上がりに不安もあった」という関学OL陣が、立命大の強力なDLを上回って好試合を作った(撮影:北川直樹)

【写真・文/北川直樹】

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