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2018-11-12

関西学生リーグ最終決戦 関立戦展望 万博記念競技場で新たなドラマが生まれる

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 11月18日、今季も立命館大(6勝0敗)と関西学院大(5勝1分)がリーグ優勝を賭けて対戦する。昨シーズン、リーグを制覇するも西日本王座決定戦で完敗した立命館大に受けて立つ余裕はない。かたや関西学院大は、前節の関関戦の引き分けによりトーナメント出場権は未定。このゲームは、勝利のみを追求した戦いとなる。

 両チームのリーグ戦を振り返って見る。

 立命館大は、古橋監督が再度復帰。春季シーズンからじっくりとチームの底上げを続けている。主将安東純一(立命館宇治4年)率いるオフェンスライン・ユニットは、全て下級生。この再構築が攻撃の鍵を握る。

若いオフェンスラインをけん引する主将の安藤 写真:佐藤 誠

 ランニングバック(RB)は、エース立川玄明(大阪産業大附属2年)。さらに開幕からチームを牽引するスキャットバック藤岡峻平(立命館宇治4年)の2枚看板が控える。クォーターバック(QB)荒木優也(立命館守山3年)は、QBレーティングでリーグ突出の数字を残す。ワイドレシーバー(WR)/QB植村優人(大阪産業大附属4年)のスポットでの起用は、守備に的を絞らせない。

パワフルなランでゲインを重ねるエースRBの立川 写真:佐藤 誠

 昨年から10名が入れ替わった守備は、春から注目していた。しかしアニマルリッツの伝統は、引き継がれている。ラインバッカ-(LB)久下裕一郎(箕面自由学園4年)、古谷海人(足立学園4年)がDNAを継承。ディフェンスバック(DB)林奎佑(駒場学園2年)、魚谷海仁(立命館宇治2年)と若手が続くのもこのチームの層の厚さかと。古橋監督は、チームをまだ成長段階と捉えているはず。関西学院大戦を戦い抜くことにより、更なる成長を目論み、小細工なしのパンサーズをぶつけるであろう。

高い運動能力で広い守備範囲を誇るLB久下 写真:佐藤 誠

 関西学院大は、春季シーズン以来試合運びに大きな変化は見られない。QB奥野耕世(関西学院2年)で入り、QB西野航輝(箕面自由学園4年)に引き継ぐパターンは、変らない。守備チームは、昨年来のスターターも多く安定している。センターの光岡正典(箕面自由学園4年)をタックルにコンバート、若手を加えたOLユニットを再編している。

1試合ごとに成長を感じさせる2年生QBの奥野 写真:佐藤 誠

試合の流れを変える主将の光藤航哉  写真:佐藤 誠 

 レシーバーユニットは、国内カレッジ最高水準では? 松井理己(市立西宮4年)、阿部拓朗(池田3年)は、安定している。さらに小田快人(近江4年)がレギュラー陣に加わったのが大きい。高校野球で実績を残した彼の身体能力・スピードがやっとフットボールにフィットしてきた。

 気になるのは、対京都大戦(23-3)において第4クォーターまで3フィードゴール(FG)のみ、タッチダウンを奪えなかった事。勿論立命館大も京都大には、先制を許し結果的に24-7で勝利したものの終始京都大守備には、苦しめられた。

 伝統的に関西学院大は、アジャストが早く、柔軟に対応して守備を攻略してきたチームである。しかし京都大、関西大戦では、そのようなプレーが見られなかった。周到な準備、数多くの有効プレーの引き出しが決戦で登場するのか?

 昨年の西日本王座決定戦では、再度ラン攻撃にこだわり立命館大を圧倒した。今年は、レシーバー陣がその役割を担うのか?

センスある守備でインターセプトを量産するディフェンスバックの横澤 写真:佐藤 誠

 両チームともまずは2ポゼション差を目指し試合に入る。効果的なプレーを出来るだけ早い時点で見いだし得点に結びつけなくてはならない。

 全知全能を傾けたゲームから新たなドラマが生まれる事を期待している。

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