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2022-04-23

【ボクシング】中川健太が元王者対決に勝つ 3度目の日本王座獲得

中川に右アッパーを打ち込まれ、久高は這いつくばるように倒れ込んだ

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 日本スーパーフライ級王座決定戦10回戦は、23日、大阪・エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)第2競技場で行われ、2位にランクされる中川健太(三迫=36歳)がトップコンテンダーの久高寛之(仲里=37歳)からダウンを奪って大差判定勝ちを収めた。中川は3度目の日本王座獲得。久高の4年ぶりの王座復帰はならず、試合後には引退を口にした。

 勝負を決定づけたのは6回の攻防だった。長身サウスポーの中川が先手先手と攻めてポイントをリードして迎えたこの回の最初。久高の左フックがヒットして、中川のヒザが一瞬落ちた。そこまでの流れを一転させうるこのチャンス、久高は当然ながらプレスを強める。ただし、そこに待ち構えていたのは、あまりに見事な中川の右アッパーカットだった。アゴに直撃された関西のベテランの下半身はぐずぐずに崩れ、その体は前方に落下した。その後、中川は長い左ストレートを上下に散らし、右フックも織り交ぜて追撃する。

「効いていなかった」と試合後に両者とも自分を直撃した一撃について語っていたが、はた目からはダメージはありありに見えた。その強打の応酬に打ち勝った中川が、ますます勢いを増していくのは当然の成り行きだった。
中川は序盤から積極的に攻め、序盤からペースを握った
中川は序盤から積極的に攻め、序盤からペースを握った

 それでなくても、前半戦から久高は苦しい戦いが続いていた。まっすぐに伸びる、あるいは弧を描く、2種類の左ストレートに悩まされ、力感あふれるボディショット、なおかつ鋭い右フックにもさらされた。粘り強く反撃を試みたが、勢いはつかないままだった。

 6回を過ぎると、中川は距離を長めにとって、カウンター中心に無難にさばきに出る。久高も逆転を狙ったが、最後まで思いどおりのパンチを打てる位置まで踏み込めないままだった。
元王者対決は中川に軍配が上がった
元王者対決は中川に軍配が上がった

「練習が面白くて、負けてボクシングを辞めたくなかった」と言う勝者は、「世界を獲れる自信はまだないけれど、最後は世界戦で終わりたい」と尽きせぬ野心について隠し立てしない。26戦21勝(12KO)4敗1分。かつて3度も世界戦のリングに立ったこともある久高は51戦28勝(11KO)19敗4分。

文◎宮崎正博 写真◎石井愛子

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