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2022-04-28

【ボクシング】京口紘人がメキシコでWBA王座統一戦「聖地で戦えて光栄」

メキシコで必勝を誓うチーム京口

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WBA世界ライトフライ級スーパーチャンピオンの京口紘人(28歳=ワタナベ)は6月10日(日本時間11日)、メキシコシティで同級正規チャンピオンのエステバン・ベルムデス(26歳=メキシコ)と王座統一戦を行うことが決まった。京口は1年3か月ぶりの試合で、4度目の防衛戦となる。

 メキシコの格闘技の聖地、アレーナコリセオで迎える団体内統一戦。「メキシコの舞台で、メキシコの選手と戦えることを光栄に思っています」。ジム近くのイベントスペースで開かれた発表会見で、京口は高まる気持ちを語り、ベルムデス戦を「今までで一番高いステージ」と位置づけた。

 昨年3月、米デビュー戦で勝利した後、9月のスパーリング中に右手親指を痛めてから左ヒジ、さらには左足と、立て続けに負傷に見舞われた。「メンタル的にも落ち込んだ」というが、治療に専念する時期を経て練習を再開。今年3月からはスパーリングも行えるようになり、すでに40ラウンドを消化した。「左腕は少し違和感があるが、試合には万全の状態で臨めると思う」と京口。左手を使えない間に磨いた右ストレートの精度向上を実感している。

 ベルムデスの印象は「日本人にはない独特のリズムがある。リーチが長く(身長170センチ)、ロングからいきなり振ってきたり」。完全アウェーでの戦いになるが、「倒さなければ、という焦りはない。自分のボクシングができれば、中盤以降にチャンスがくると思っている」とした。「世界初挑戦の相手(ホセ・アルグメド)もメキシコ人だったし、経験が生きてくる」と、対メキシコ2戦2勝の自信を示す。

 相手とともに警戒を要するのは、富士山の五合目にあたる標高2250メートルというメキシコシティの空気の薄さだ。スタミナにも直結する酸素の少ない環境に備え、アシックスの施設で高地トレーニングを行なうほか、自宅にも低酸素のテントをレンタル。試合の3週間前にはメキシコ入りし、メキシコシティより標高の高い土地で調整するという。

 現地にはマネージャー、トレーナーとともに3人で先に入り、後からスタッフも合流。初防衛に成功したWBO世界ミニマム級王者・谷口将隆も、前回のアメリカに続いて駆けつける。「ここをクリアすれば、いろんな景色が見えてくる。緊張するが、楽しみな気持ちが大きい」。ボクシング大国のリングで世界へ名前を売るチャンスに、京口は好ファイトを誓った。京口の戦績は15戦15勝(10KO)。ベルムデスは19戦14勝(10KO)3敗2分。

文・写真/藤木邦昭

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