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2022-11-01

【アメフト】富士フイルム、残り18秒で劇的逆転勝ち TDパスと2ポイントCV決める  X1エリア第5節

【富士フイルム vs アズワン】4Q残り18秒、WR安達が2ポイントコンバージョンのパスをキャッチし、富士フイルムが逆転=撮影:小座野容斉

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アメリカンフットボールのXリーグ「X1 エリア」は10月29日に第5節の2試合が大阪・ヨドコウ桜スタジアムであった。富士フイルム ミネルヴァAFCとアズワン ブラックイーグルスの1戦では、富士フイルムが試合残り18秒からタッチダウン(TD)と2ポイントコンバージョン(CV)を決めて、劇的な逆転勝ちをした。
 富士フイルムは3勝2敗で勝ち点9、アズワンと勝敗、勝ち点で並んで3位となった。

X1エリア 第5節
 富士フイルム ミネルヴァAFC○15-14●アズワン ブラックイーグルス
(2022年10月29日、ヨドコウ桜スタジアム)

 先制はアズワン。QB糟谷啓二郎がキーププレーで一気に敵陣に攻め込むと、次のプレーでWR川畑一輝へロングパス。46ヤードのパスとなって、3プレーでタッチダウン(TD)を奪った。
 その後は両チームのディフェンスがしっかりと守って7-0のまま、後半へ。
 3Q、富士フイルムは、44歳のRB井岡淳がショートヤーデージランを連発してTD。同点とした。
 しかし、直後のオフェンスシリーズで、アズワンは2度の3rdダウンコンバージョンを乗り越えて、RB三谷和也がランTD、再び勝ち越した。
 最終盤の4Q残り1分36秒、富士フイルムは自陣18ヤードからのオフェンス。QB鈴木貴史のパスでボールを進めると、残り26秒からのスナップで、鈴木がWR小山昭瑛へロングパス。左サイドライン際でパスを捕った小山はそのままエンドゾーンへ走り込んで49ヤードのTDとなった。
 富士フイルムはエクストラポイントでも、QB鈴木が、2ポイントコンバージョン(CV)でWR安達絹心にパスを決めて、15-14と逆転。残り時間は18秒だった。

ルーキー小山がビッグプレー決めた
【富士フイルム vs アズワン】4Q残り18秒、富士フイルムWR小山が劇的なパスTD =撮影:佐藤誠
 富士フイルムがドラマチックな逆転勝利を飾った。
 ラストドライブ、短いパスで少しずつ進んでいたが、30秒を切った残り時間を考えると、どこかでビッグプレーが必要な状況だった。
 そのビッグプレーを、完璧なパスで決めた。ヒーローはルーキーのWR小山だ。

 「タテを、一発を狙って攻めようという話はしていた。その一発を取り切った」
 「パスを捕った瞬間、前に選手がいなかったので、TDまで行けると思った」

 伏線はあった。富士フイルムに残っていたタイムアウトは1回のみ。ただし、フィールドゴール(FG)を蹴るわけではないので、どこかいいタイミングで使えばよい。
 富士フイルムは直前3回のパス成功は、すべてインバウンズでのデッド。時計は回っていた。
 時間を残すためタイムアウトを使っても良かったが、あえて使わずに攻めた。アズワンディフェンスに一息つかせず、プリベントなどで対応をする間を与えなかった。

 小山にとっては、Xリーグで初のTDパスだった。189センチの長身と、シュアハンド。法政大学の副将・エースレシーバーとして、関東で名をはせ、甲子園ボウルにも出場したが、Xリーグでは鳴かず飛ばずだった。
 「環境が変わって、キャッチの数とかも減ってしまって。自分の思うようなプレーができず悩んでいた」という。
 この日は、昨年12月の甲子園ボウル以来の関西でのゲーム。小山は「ここへ来る列車の中で、昨年の甲子園での写真を見て、自分の気持ちを作っていた」。
 それがチームを救うビッグプレーにつながった。
 
 朝倉孝雄ヘッドコーチ(HC)は、「小山は、今までのリーグ戦で、散々パスを落としまくって、『借金』がだいぶあるので、まだまだ褒めません」と言いながらも、大器がここ一番でやってのけた大仕事に満足げだった。

QB鈴木「自信をもって投げ込んだ」
【富士フイルム vs アズワン】4Q残り18秒、2ポイントコンバージョンを決めて歓喜する、富士フイルムQB鈴木=撮影:佐藤誠
 富士フイルムは、TD後に、迷うことなく2ポイントCVを選択した。すでに2敗している以上、ここで引き分けても意味がない。かすかな入れ替え戦出場の望みをつなぐためにも、当然だった。
 その大事な2ポイントを、エースQB鈴木が、WR安達へのスラントパスで決めた。
 「プレーに迷いはなかった。何度も練習で決めてきたパス。自信をもって投げ込んだ」という。
 同点に追いついた後で、直ぐにまたTDを許すなど、決して良い流れではなかった試合。
 だが鈴木は「ディフェンスが良く止めて、オフェンスに時間を残してくれた。チーム全員が諦めていなかった」という。
 リーグ戦はあと2試合、対戦相手や入替戦は関係ない。「自分たちのオフェンスをしっかりやり切るだけ」と、次戦に心を向けていた。

【富士フイルム vs アズワン】1Q、先制パスTDを決めて喜ぶアズワンWR川畑=撮影:小座野容斉

【富士フイルム vs アズワン】3Q、富士フイルムRB井岡が気迫の同点TD=撮影:小座野容斉

【富士フイルム vs アズワン】4Q残り18秒、2ポイントコンバージョンを決める富士フイルムQB鈴木=撮影:佐藤誠

【富士フイルム vs アズワン】4Q残り18秒、WR安達が2ポイントコンバージョンのパスをキャッチし、富士フイルムが逆転=撮影:小座野容斉

【富士フイルム vs アズワン】4Q残り18秒、富士フイルムWR安達が2ポイントコンバージョンのパスをキャッチしチームメートから祝福される=撮影:小座野容斉

【富士フイルム vs アズワン】4Q残り18秒、富士フイルムが逆転勝ち。試合後のハドルでも喜びが爆発した=撮影:小座野容斉


【小座野容斉・佐藤誠】

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