IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦、チャンピオンのフェリックス・アルバラード(ニカラグア)対同3位・小西怜弥(真正)の12回戦は19日、神戸市のポートピアホテルで行われた。これが2度目の世界挑戦となる小西だったが、序盤からアルバラードの大胆なボディ攻めにペースをつかめないまま、大差判定負けとなった。アルバラードはこれで初防衛に成功している。
写真上=アルバラード(右)の攻撃に小西のピンチが続いた
大柄なスラッガー、アルバラードのスタートダッシュが、結果的に勝負を決めてしまった。切れ目のない左右の連打を、小西はガードを固めて耐えたが、パンチの雨に織り込むボディブロー、大きな弧を描いて投げ込む左フックが何度も襲う。3回には顔面への右ストレートを加えて乱れ打ち。小西は防戦一方になった。
試合後に小西は「ボディが効いた」と明かしていたが、中盤以降のスタミナに不安を持つアルバラードの欠点をつく余力までが半減させられてしまう。案の定、5回を境にニカラグア人のパンチはスローになり始め、威力も目に見えて褪せていく。が、小西は前に出るだけ。しつこくボディ打ちを繰り返しはするが、さして効果を上げているようには見えなかった。
終盤にかけていよいよ、両者ともに決定打のない混戦模様となっていく。小西も一縷の望みをかけて粘ったが、決定的だったのは10回。アルバラードの強烈な右ストレートが2発。これが効いた。小西はグロッギーに陥る。
このラウンドはなんとか逃げ延びた小西だったが、11回になっても回復は半ばまで。再びチャンピオンの猛攻にさらされ、危険な状態が続いた。最終回、アルバラードは逃げに入る。だが、力感を失った小西はこれを追い切れないまま終了ゴングを聞いた。
「コニシはサムライ。非常に強かった」とアルバラードは持ち上げていたが、「ボディは効いていない。全部ショルダーで殺していた」と力の差を強調していた。
「拳四朗、京口との統一戦? ぜひ、やりたい」とアルバラード。突進力はあるが、ボクシングが大雑把。出入りの巧みな拳四朗(BMB)、シャープな攻撃力がある京口紘人(ワタナベ)なら十分すぎる勝機がありそうだ。
「10回は一瞬、真っ白になった」とダメージが深かったことを告白した小西は、起死回生の逆転機の尻尾すらつかめなかった。「戦いながら、自分は世界を獲るレベルに達してないなと感じていた」とも。3度目の正直をねらうなら、小西自身にしかない持ち味を身につけるしかない。
文◉宮崎正博
写真◉福地和男
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