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2024-05-14

前人未到のK-1&ボクシングの2冠達成 今こそ知るべき武居由樹の壮絶人生


井上尚弥が圧巻の試合をみせた5月6日の東京ドームでのボクシングイベント、実は、セミファイナルに登場した武居由樹も、歴史の扉を開ける偉業を達成していた。キックボクシング(K-1含む)の世界タイトル獲得経験のある日本人として、初めて、ボクシングでも世界チャンピオンになったことである。

キックボクシングは、地上波のテレビニュースや、一般紙(朝日・読売・毎日といった新聞)で結果を扱われることなく、オリンピック競技でないのはもちろん、国内スポーツ協会への加盟も成し得ていない、類似する競技であるボクシングとの関係を「メジャーに対しマイナー」「公的なものに対し低俗なもの」……といった具合に揶揄されがちなスポーツであり続けてきた。

初めて、その王者をボクシングの世界でも頂点に立たせたこの5月6日は、キックボクシング関係者にとって、日陰から日向へと境界線を跨いだように感じられる一日だったに違いない。
 
そんな大きな役割を果たした武居由樹は、足立区の母子家庭で育った問題児であり、10歳の時に手に負えなくなった母親からキックボクシングジムに預けられてからの生活の様子は、度々、フジテレビのドキュメンタリー番組「ザ・ノンフィクション」で取り上げられてきた。

元暴力団員であるジムの会長・古川誠一が「自分と同じような道を歩ませないように」という思いから、武居はじめクセのある子どもたちを自宅に同居させ、人の道を説く情景が目を引くからこそ、番組に取り上げられたのだろうが、企画スタート時、まさか十数年後にカメラの前の少年がボクシングの世界王者になろうとは、スタッフの誰も思っていなかったに違いない……。

 
井上と同じ大橋ジムに籍を置く現在も、武居は週に1度は古川会長の指導を受けているという。

ボクシング界においてなお、観る者に驚きを与えるパンチ力の強さは、まぎれもなく古川会長のコーチングによって養われたものである。格闘技経験のない古川会長が、どうやって武居を育て上げたのか?

その秘密を古川会長本人が語る書籍が、2020年に小社・ベースボールマガジン社より刊行している。


書籍名:下剋上トレーナー 現代の若者の育て方。 K-1世界王者武居由樹を育んだ"夢の力"とはなにか?
著者:古川 誠一
定価:1600円+税
発行:ベースボール・マガジン社

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