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2024-05-15

元アクトレスのエース青野未来はなぜプロレスに帰ってきたのか。マリーゴールド旗揚げ戦は「プロレスラー青野未来として石川奈青に絶対勝ちます」【週刊プロレス】

マリーゴールド旗揚げ戦でプロレス回帰を果たす青野未来

元アクトレスガールズの絶対エース、青野未来がプロレスに帰ってくる。

5月20日に旗揚げ戦をおこなう話題の女子プロレス新団体「マリーゴールド」入団を果たした青野は、2017年6月25日、”女優によるプロレス団体”アクトレスガールズでデビュー。その可憐なビジュアルとは裏腹にパワフルなファイトスタイルで人気を博す。

だが、所属団体は2021年末を持ってプロレス団体であることをやめ、リングを用いたスポーツエンターテインメント集団となった。

この決定を受け、プロレスを続けたいと願う選手の多くが団体を離脱。そんななか、アクトレスに強い愛着をもっていた青野は残留を選択。エースとして団体をなんとか盛り上げようと奮闘した。

だが、アクトレスがプロレス団体としての活動をやめたことで週刊プロレスを含む多くのスポーツメディアが離れ、露出は減少。またプロレスとは似て非なる“アクトレスの闘い”は賛否両論を呼ぶこともあった。

「自分たちが『プロレス団体じゃない』と言ったので、しょうがないことだなとは思ってたんですけど、でも、自分たちだけでそれ以上の何かを発信していけるかというとやっぱり難しかった。もっと自分たちが出ていくにはどうしたらいいんだろうとずっと悩んでました。その一方で(アクトレスを辞めた)同期や後輩が活躍する姿をいろんなところで目にするようにもなって。私は(アクトレス出身者の活躍を)意識していましたし、アクトレスガールズの青野未来としての限界を自分で感じてしまったというか、この先、私にできることがわからなくなってしまっていて…。ホントは(アクトレスに)恩返ししたかったし、もっと大きくしたかった。私自身も大きくなりたかった。だけど…限界を感じてしまったのが一番大きかったですね」

 4月15日、マリーゴールドは旗揚げ会見をおこなった。「プロレスをやらせてください!」。青野らアクトレスガールズ出身の6人はそこで参戦を直訴。団体サイドとの関係が清算しきれぬ状態でのアクションだったこともあり、スキャンダラスな話題にもなったが、後日両団体代表で話し合いがもたれ、「穏便な形」で終結。4月30日、青野らアクトレス勢は晴れてマリーゴールド入団に至った。
5月5日の会見で青野vs石川の一騎打ちが発表された
だが、それでも反発の声が消えないのも事実。青野らアクトレス勢が参戦表明をした当初から嫌悪感を隠そうとしない元アイスリボンで、マリーゴールド・オリジナルメンバーの石川奈青は、旗揚げ戦ポスターで青野がメインポジションを張り、自身が〝下段右端〟に追いやられたこともあり猛反発。「私はプロレスラーの方と試合がしたかった」「(青野も)プロレスラーじゃなくなって、お芝居の人になった」「プロレスを捨てた人には絶対負けられない」「何事もなかったみたいな顔で(プロレスに)戻ってこられても」……厳しい言葉を並べ立て、プロレスにしがみついてきた人間として意地を見せると宣言。旗揚げ戦で、そんな石川との一騎打ちが組まれた青野もこれに真っ向から反論する。

「プロレス団体ではないところにいた自分たちが来るのを受け入れられないっていうのはわかるし、そういう人もいるだろうなとも思ってました。だけど、私たちは私たちなりに団体を盛り上げるために一生懸命やってきた。それに、石川奈青は『プロレスを捨てた』って言ってたけど、自分自身はそんなつもりはなくて。引退したつもりもないし、団体の意向でそうなっただけで、自分自身の気持ちは何も変わらなかった。ただ、私はアクトレスガールズがあったからこそプロレスにも出会えたし、青野未来の現在がある。その恩を返せていなかったし、いろいろ先輩たちが抜けて、これからどうなるんだっていうアクトレスガールズを私は勝手に背負って、勝手に守るっていう気持ちで選んだ選択だったので。彼女がどういう2年間を過ごしてきたかわかりませんが、私が過ごしてきた2年間をほかの人にどうこう言われたくない。その時間を否定されるのはすごく嫌だなって思います」
石川との最後の一騎打ちは2021年12月。この時も青野が勝利している
 強い思いを抱いてアクトレスを引っ張ってきた青野。だが、思うようにいかない現状に「限界」を感じつつあったのも事実。そんな時、ロッシー小川代表とつながりの深い風香経由で提案されたマリーゴールド移籍。「迷いもあったし、(ファンや元メンバーに)申し訳ない気持ち」も正直あったが、それでももどかしい現状を打破し、青野未来としてより輝くために大きな決断を下した。

「もっと大きな舞台に立ちたいと思うし、もっともっとたくさんの人に見てもらいたいと思います。自分たちのことを石川奈青と同じような目線で見てるファンの方もいると思うので、そういう人たちにも伝えたいですね、マリーゴールドを選んだ覚悟とか思いを。プロレスラー青野未来を。それが表現できたらいいなと思ってます」

「5月20日、2年半ぶりに上がるプロレスのリングでそれが表現できると思いますか?」と聞くと、青野は少し考えて、「はい、できると思います。しなきゃですよね。ここまで来て埋もれてたらホント意味ないので。やっぱりトップを目指したいから」と言った。
ポピーの前で笑顔を見せた青野
マリーゴールドには2トップと言われるジュリア、林下詩美がいる。青野は「やり合いたいですね。そういうチャンスをいつもらえるか、わからないですけど、そこも見据えて石川奈青戦は見られると思うので。外だけじゃなく、団体の中にも青野未来ってどんなモンだっていうのを見せないといけないですね」と腹をくくる。

先ごろおこなわれた直前合宿でも石川が青野を意識しまくったTシャツを自作し、強烈にアピールするなどドロドロとした感情をぶつけてきた。だが、そんな石川に猛烈な負けん気をぶつけた青野はTシャツを引っぺがし、衆人環視のもと辱めを与えるというまさかの行動に。あの可憐な笑顔の裏に石川に負けず劣らずの狂気が潜んでいるのかと思わせる強烈なアクションだったが、これにより両者の一騎打ちは“旗揚げ戦裏メイン”と言われるほど一部から注目を集めている。

これを青野に伝えると「プレッシャー、ありがとうございます」と言って笑いながら、「プレッシャーないとダメだと思うので、私は。石川奈青が燃えてるみたいだけど、おかげで私も『旗揚げが楽しみ』とか『ここから頑張るぞ』とか、自分のためだけに向いていた気持ちが、旗揚げ戦絶対負けたくないっていう思いに変わったので。最初が石川奈青でよかったのかなって思います。私はプロレスラーなので。プロレスラー青野未来として石川奈青に勝ちます」。

デビューからアクトレスがプロレス団体をやめるまでが第1章で、エースとして現行アクトレスを支えてきた2年半が第2章だとするならば、マリーゴールド旗揚げ戦から始まるのが青野未来の第3章。2024年5月20日、プロレスのリングに帰ってきた青野の闘いが幕を開ける。
マリーゴールド旗揚げ戦5・20後楽園のポスター
マリーゴールド旗揚げ戦
「Marigold Fields Forever」
★5月20日(月)東京・後楽園ホール(18:30)
▼マリーゴールド最強タッグ伝説◎ジュリア&林下詩美vsSareee&ボジラ
▼アクトレス・ニュータイム◎翔月なつみ&松井珠紗vs天麗皇希&後藤智香
▼World beauty showdown~世界美女決戦~◎桜井麻衣&ゼイダ・スティールvs野崎渚&マイラ・グレース
▼The Power Contest◎MIRAIvsCHIAKI
▼A対Iイデオロギー対決◎青野未来vs石川奈青
▼starting over~パッション注入2024◎高橋奈七永vsビクトリア弓月

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週刊プロレスNo.2301 (2024年5月29日号/5月15日発売) | 週刊プロレス powered by BASE

今週号の表紙は「ALL TOGETHER」日本武道館大会のメインで勝利した清宮海斗を中心とした出場選手の集合写真です。日本プロレスリング連盟発足記念&能登半島復興支援チャリティーとしておこなわれた大会は、6団体が集結してふだんは見られないカードが実現。巻頭から詳報します。全日本は春の祭典「チャンピオン・カーニバル」優勝戦を男子プロレス初進出となる横浜BUNTAIで開催。宮原健斗が“ゼンニチ超新時代”の一人、斉藤ジュンを破り5年ぶり2度目の優勝。そのほか世界ジュニア戦など注目カードをリポート。新日本は「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」が開幕。優勝候補の高橋ヒロムとエルデスペラードが揃って黒星発進となる波乱の幕開け。そのほか公式リーグ戦を詳報。新日本関連では巻末言で木谷高明オーナーに新日本がスターダムを子会社化する理由を直撃。いよいよ旗揚げ目前となったマリーゴールド。今週は選手が士気を高めるためにおこなった合宿リポート、元アクトレス勢紹介など始動直前のマリーゴールドに迫ります。また木村花さんメモリアル大会に参戦するジュリアにその思いも聞いています。企画ものとしてはNOAHで結成された清宮海斗&拳王中心の新ユニットクローズアップも。そのほかスターダム後楽園、DDT横浜、ドラゲー後楽園、東女後楽園など掲載。

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