2019年6月に東京オリンピック・パラリンピックの大会エンブレムを手掛けた美術家・野老朝雄氏によるトークイベントをここで再度、お届けする。テーマは「個と群と律~紋と紋様の話~」。エンブレムに込められた思いやこだわり、作成の経緯などを語った。
元々、建築に携わっていたという野老氏が常にテーマにしてきたのが“つなげること”で、いつも考えているのはドットパターン、紋と紋様。2001年9月11日の同時多発テロがきっかけで、自身の個人的な断絶を含め、ネガティブなところから“つながる”という希望を少しでも持ちたいという気持ちが根底にあったという。
また、オリンピック憲章の中に“平等”という言葉が何度も出てくることから、平等と多様性を同時に記述することができないかと考えた。このイベントではPC上の映像を見せながら、いかにエンブレムのデザインが出来上がったのかを披露した。
エンブレムについて語る野老氏。藍染めの服で登場し、エンブレムの色へのこだわりについても話した
東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムは3つの四角形がベースとなる。
正方形と、それを少し上からつぶした四角形2種類を組み合わせて、エンブレムの原型が出来上がる
3つの四角形を円形につないでいくと東京オリンピックのエンブレムの基が出来上がる。
枠の線を取り除けばTOKYO2020のエンブレムが完成。パラリンピックも同じ3つの四角形で構成されている。どちらも四角形の大が9個、中が18個、小が18個の合計45個の組み合わせとなっている。
エンブレムのグラフィックを木型の板で再現。四角形を裏返す、角度を変えるなど変形すれば、パラリンピックのエンブレムになる。すべて同じ重さで、多様性、可能性を秘めているという。
エンブレムを藍色にしたのは様々な理由からだった。現在はジャパンブルー=サッカーの日本代表でもあるが、それ以前に葛飾北斎の浮世絵で、船員達の着用している服が藍染めだったことからもヒントを得ている。
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このトークイベントを主催した三井不動産は東京2020オリンピック・パラリンピックに向け、東京2020ゴールド街づくりパートナーとして、東京の街の歴史や文化・伝統、魅力を伝えるため、スポーツイベント、シティドレッシングなど様々な取り組みを行ってきた。
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