※写真上=石浦の変化にも動じず志摩ノ海が体を寄せて寄り切り、十両優勝を決めた
写真:月刊相撲
3連敗の白鵬が休場。幕内の優勝争いは2敗の玉鷲、3敗の貴景勝がともに勝ち、優勝の行方は千秋楽に持ち込まれることになった。十両の優勝争いは2敗の志摩ノ海が後続に2差をつけ、14日目の相撲に勝てば初優勝が決まるという展開。
石浦と対戦した志摩ノ海は、相手の左変化を読んでいたようだ。しっかりと右を差してついていき、左はハズ押しで土俵際まで追い込み、難なく寄り切って十両優勝を決めた。
これまで地味な存在だった志摩ノ海。平成28年名古屋場所で新十両に昇進も4勝11敗で陥落し、1年半を幕下で過ごした。十両復帰後も地位を守るのに精いっぱいだったが、今場所は開眼したかのような押し相撲を見せてくれた。
「周りから『どうしたんだ』と言われますけど、先場所の中盤ぐらいから、いい感じだなと手応えはありました」と語る。先場所は3勝5敗で折り返しながら、9勝を挙げている。
相撲を見ていて一番感じるのは下半身の安定。足の開き具合、ヒザの角度など理想的でどっしりしている。また、脇を締めて下から押し上げる形もよくなってきた。「ヒザをケガしたので、スリ足やぶつかり稽古で体のバランスを見直した。腰も高かったので、足の構えを広くしたり、足から意識させた」と下半身を強化した。
目標の力士は元大関の武双山(現藤島親方)。締め込みの色もシルバー系で真似ている。番付が東十両11枚目と下位だが、もう一番勝って13勝なら新入幕の可能性も広がる。優勝を決めても、まだ気は抜けない。
文=山口亜土
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