close

2018-01-19

【初場所序盤を振り返って】 白鵬、稀勢の里休場 ひとり横綱鶴竜が全勝

 張り手、カチ上げを封印して初場所の土俵に臨んだ白鵬。初日は阿武咲に土俵際まで押し込まれながらも逆転、2日目は逸ノ城と右四つに組み合い、頭をつけると顔を真っ赤にして寄り切りました。しかし、3日目、4日目と北勝富士、嘉風に連敗し、両足の親指を痛めて途中休場。もう少し、ニュー白鵬を見たい気もしましたが、来場所以降に期待しましょう。

 心配なのは稀勢の里です。初日に貴景勝に敗れ、2日目は北勝富士に勝ったものの、3日目から逸ノ城、琴奨菊、嘉風に敗れて、3日連続で金星を配給。6日目から休場となりました。5場所連続の休場で、次に出場するときが進退を懸けた崖っぷちです。しっかりケガを治して万全の状態で出場してほしいものです。

5日目を終えて全勝は鶴竜、御嶽海、栃ノ心、朝乃山の4人。1敗で豪栄道、髙安ら両大関が追う展開となっています。4場所連続で休場した鶴竜ですが、冬巡業の稽古からいい動きで、危なげなく全勝を守っており、優勝候補の筆頭と言っていいでしょう。

 稽古嫌いで有名な御嶽海ですが、場所前はいつもの3倍ぐらい稽古をしており、稽古をすれば勝てるということ証明しています。次期大関候補の一番手と言っていいでしょう。栃ノ心は、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)が貴乃花親方に代わって巡業部長代行となったため、めちゃくちゃ稽古させられました。得意の右四つ、左上手の体勢になることが多く、ダークホースとなりそうです。朝乃山は、九州場所こそ足首のケガで不本意な結果に終わりましたが、幕内下位ならば、大勝ちするのではないでしょうか。

 また、豪栄道、髙安の両大関も動きは悪くなく、優勝争いに絡んでくるでしょう。期待の若手の貴景勝、阿武咲、北勝富士は黒星が先行していますが、これから巻き返していくと思います。中盤以降も面白い展開となりそうです。

文=山口亜土

タグ:

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事