8月6日、「第101回第101回全国高校野球選手権大会」が開催する。49の代表校が令和初の王者を目指して熱戦をくり広げる。
※上写真=星稜・奥川と智弁和歌山・東妻は8月5日の開会式リハーサル後、健闘を誓い合った
写真◎石井愛子
「一人横綱」の様相である。
あるNPB球団のスカウト首脳に夏の甲子園展望を聞くと「正直、寂しい甲子園になりますね」とポツリと語った。
年明けから2019年ドラフト戦線は「高校生BIG4」が中心だった。
しかし、大船渡・佐々木朗希、横浜・及川雅貴、創志学園・西純矢がいずれも地方大会で敗退。この「四天王」で唯一、甲子園に駒を進めたのは星稜の158㌔右腕・奥川恭伸のみという結果になった。
NPBスカウトは全12球団が全国から集結する。49代表校がすべて登場する25試合を視察するのが慣例だ。「四天王」の評価はすでに決まっているはずだが、やはり、最後に甲子園でのパフォーマンスを見届けておきたいのが本音である。
奥川は2年春から4季連続甲子園出場。昨年9月には2年生でただ一人、高校日本代表としてアジア選手権(宮崎)でプレーするなどキャリアにおいては「世代No.1」だ。最後の夏。あとは、チームメート悲願の全国制覇を遂げるだけである。
奥川の実力は誰もが認める「一人横綱」だが、甲子園の「経験値」において奥川の上を行くのが智弁和歌山の正捕手・東妻純平である。1年夏から、一度も途切れることなく、5季連続甲子園出場(チームメートの黒川史陽、西川晋太郎を含む3人)。かつての早実・荒木大輔(日本ハム二軍監督)、PL学園・桑田真澄(元巨人ほか)、清原和博(元西武ほか)らに肩を並べた偉大な記録だ。
東妻は強打の捕手として、プロからも注目される。兄・勇輔は同校OBで日体大を経て今年、ロッテに入団。昨秋から指揮を執る中谷仁監督(元阪神ほか)の下で鍛えられ、2年春にはセンバツ準優勝。心身ともにモチベーションは最高潮、集大成の夏を迎える。智弁和歌山は充実の戦力を誇り、2000年以来の全国制覇へ万全の準備を積んできた。
東妻は奥川とともに高校日本代表第一次候補にノミネートされており、2人は侍ジャパンにおいてバッテリーを組む可能性もある。
星稜と智弁和歌山は順調に勝ち上がれば、3回戦で対戦する可能性がある。開幕前日。8月5日の開会式リハーサル後には、健闘を誓い合った2人。令和元年夏、スター候補の活躍が楽しみである。
文◎岡本朋祐(週刊ベースボール編集部アマチュア野球班)
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